2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Post-War Changes in Child Welfare and Placing System in Japan-a Historical Analysis
Project/Area Number |
20530559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Social welfare and social work studies
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Research Institution | Seigakuin University (2009-2012) Shokei Women's Junior College (2008) |
Principal Investigator |
田澤 薫 Shokei Women's Junior College, 人間福祉学部, 准教授 (70296200)
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Project Period (FY) |
2008 – 2012
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Keywords | 児童福祉 / 措置制度 / 社会事業史 / 児童福祉法 |
Research Abstract |
(1)全体的な研究計画 児童福祉法制定前後に焦点をすえ、日本の児童福祉における措置制度を制度面、理念面、実践面から整理し分析することで、今日の児童福祉制度の特性を検証する。 (2)1・2年目の研究計画 5ヵ年の研究期間の前半にあたる初年と2年目の2年間では、以下のような基礎的作業を行った。まず、児童福祉法の成立経緯を各段階で準備された法案と国会における法案審議記録からたどることで、本研究に関わる論点を整理した。つぎに、各領域別の検討の予備作業として、施設における養護実践の実際、居住型施設における学校教育の実際、託児所・保育所のあり方の各点から昭和戦前・戦中期と児童福祉法の成立後との比較検討を行った。 (3)3・4年目の研究計画 中期にあたる3・4年目には、前半期の作業を部分的に継続しつつ、これまでの作業で得られた知見をもとに各論的な検討を行う。具体的には、(1)児童福祉法の措置制度の運用を、児童福祉施設のうち、居住型施設である養護施設(今日の児童養護施設)と通所型施設である保育所において検証する、(2)養護施設の検討については、仙台基督教育児院所蔵資料から、児童福祉法成立の前後の児童の生活資料、施設実践資料を収集し、児童の生活、学校教育、健康・保健、児童文化等の各点から整理する、(3)保育所の検討については、地方自治体資料等から、保育所の入所措置に関する運用と保育所内での保育実践の実際について整理する、(4)児童福祉法に限らず、関連する児童関係の法制度の成立に関する関係者の論文や発言記録、会議録、報道記事当を収集し整理する、(5)教育基本法・学校教育法成立前後の関連資料から、教育関係者による児童福祉に関する論文、発言、会議録を収集し、関連領域からの児童福祉理解を整理する、(6)研究対象時期に仙台基督教育児院で生活した経験をもつ協力者から聞取り調査を行い、資料で得られた知見の確認と具体化の手立てとする、の作業領域を計画している。 (4)5年目の研究計画 最終年度においては、それまでに得られた知見をもとに、日本の児童福祉にとって児童福祉法がもたらした措置制度が何であったかの分析を多角的に行う。現時点までの検討で、措置制度の理念的な側面については、法制定の当初の厳しい社会情勢の中では十分に理解された法運用がなされていたわけではないことが明らかになった。児童福祉を構造化する制度的な側面、実践の領域、理念・思想的側面に、費用面での担い手となる地方行政における実施体制の各視点から考察し、子どもの生活の継続性を措置制度はいかに捉えてきたかを最終的に検証する。
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Research Products
(6 results)