2009 Fiscal Year Annual Research Report
DV・虐待にさらされた母子へのケアー-愛着形成を中心として-
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20530562
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
大原 美知子 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (50360699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 栄一 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (30226675)
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Keywords | DV(ドメステイックバイオレンス) / 虐待 / 母子生活支援施設 / 愛着障害 / トラウマ / 母子関係 / 育児困難 / 修復プログラム |
Research Abstract |
本研究は母子生活支援施設入所者を対象として母子関係修復プログラムの実施及び効果の測定を行い,ケアのあり方の検討し,具体的支援方法を提案することを目的とする。 昨年度はアメリカで先行的に行われている母子相互交流セラピィプログラム(PCIT : Parent-Child Interaction Therapy)とCAREプログラム(Child Adult Relationship Enhancement)を比較し,母子生活支援施設での実践可能性について検討を行った。その結果PCITは親の育児行動が変化し,生活の場で確実に汎化されるまで継続的に通う必要があること,スタッフ及び資材の準備が必要で、母子生活支援施設のような生活の場での実施は難しいことから,PCITを基にしてより簡便に行えることを目指して考案されたCAREプログラムから試みることとした。K母子生活支援施設に依頼し,プログラム受講希望者を募り,ワークショップを開催した。回数はCAREプログラムのマニュアル通り,1セッション4回を1クールとし,2時間枠で行った。参加者は当初4名いたが,PTSD症状のため,2名が途中で参加できなくなり,残り2名がプログラムを修了した。終了した参加者からは「わかりやすく明確な方法なので良かった」とプログラムへの評価は高かったが,うつや不安感などPTSD症状が重篤な人には参加すること自体が難しく,頻度や期間など検討しなければならないことがわかった。これらのことを踏まえ,精神症状を抱える母親ヘプログラムを導入する際の配慮など,様々な工夫をする必要性が見出され,今後の課題となった。
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