2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530571
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
深田 博己 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (10112161)
|
Keywords | 説得 / 虚偽説得 / 事前警告 / 説得者の虚偽意図 / 説得抑制効果 / 悪質商法 / 詐欺 / 遭遇経験 |
Research Abstract |
研究1-1「悪質商法と詐欺に対する大学生の遭遇経験」:現実社会における虚偽説得の実態を把握するために、質問紙調査法によって、19種類の悪質商法と9種類の詐欺に対する大学生の遭遇経験と被害経験を調べ、大学生378名から有効回答を得た。その結果、(1)悪質商法と詐欺の直接遭遇経験者は24.1%と37.0%、直接被害経験者は1.6%と3.2%であること、(2)詐欺への遭遇経験の方が悪質商法への遭遇経験よりも高いこと、(3)詐欺の中ではワンクリック詐欺と架空請求詐欺、悪質商法の中ではキャッチセールス商法の直接遭遇頻度が高いことが判明した。また、間接遭遇経験が直接遭遇経験を下回っていたことから、悪質商法や詐欺に対する対策を講じるのに、周囲の友人との情報の共有が十分ではないと指摘した。 研究2-1「チラシ広告による虚偽説得に及ぼす事前警告の効果」:従来は説得研究の枠外と考えられてきた虚偽情報を使用する社会的影響を虚偽説得と位置づける新たな視点を提案した。そして、チラシ広告を利用した悪質商法の勧誘を虚偽説得とみなし、虚偽説得に対して事前警告が説得抑制効果をもつかどうかを実験的に検討した。説得者の虚偽意図(DI)という新たな事前警告情報を実験に導入した。その結果、(1)無警告条件に比べて、説得話題と立場(TP)に関する事前警告は説得効果を促進すること、(2)TPタイプの事前警告に比べて、DIタイプの事前警告は説得効果を相対的に抑制すること、(3)説得に対する事前警告の効果を媒介する主要な変数は、TPタイプの場合が説得中の肯定的感情であるのに対し、DIタイプの場合がメッセージ評価であることが解明された。
|
Research Products
(4 results)