2011 Fiscal Year Annual Research Report
デス・エデュケーションに関するアクションリサーチ:在宅ターミナル推進への社会貢献
Project/Area Number |
20530581
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
河野 由美 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10320938)
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Keywords | 在宅 / 看取り / デス・エデュケーション / アクションリサーチ / ターミナルケア / 家族 / 死の不安モデル / 死生観 |
Research Abstract |
研究最終年度となる本年度は,昨年度までに収集したデータの整理と分析を実施した.3年間で45事例の在宅ターミナル療養者・家族の事例データを収集した.あわせてアクションリサーチの過程で訪問看護師へのインタビューを月1回の割合で3年間定期的に実施した.また終末期の在宅療養移行に影響する要因を検討するため病棟看護師へのアンケート調査を実施した.デス・エデュケーションに関する認識を明らかにするために一般市民を対象にしたアンケート調査も実施した.看護師へのアンケート調査から,在宅での看取りを推進していくために最も重要なのは,看護師が患者と死について語れることであるが,患者と死について語れる看護師は4割以下であり,看護師へのデス・エデュケーションの必要性が示された.そして,在宅での看取りを支援するため訪問看護師と協働してアクションリサーチを実施した結果,在宅での看取りを支援するには,家族へのデス・エデュケーションが必要であることが示された.アクションリサーチの過程で訪問看護師自らが,死について語る事を避けている事に気付き,在宅での療養・看取りを支えるためには,状況・必要に応じて看取り(死)について話し合う機会が必要であることを理解した.そして,リーフレットを家族に早い段階で渡すことで,家族が看取りの場所の選択や準備をすることにつながり,開発したリーフレットはデス・エデュケーションとしても有効なツールとなる事が検証された.この本研究で開発した3種類のリーフレット(「退院時」「ターミナル前期」「ターミナル後期」)に関しては,ホームページを開設し,科研費の成果であることを明記した上で,希望者には無料でダウンロードできるようにしている.なお本研究の目的の一つに,Tomer&Eliason(2000)のCMDAモデルの有効性の検討があるが.調査結果からモデルの有効性が検証された.
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Research Products
(9 results)