2010 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期における映像の表象性理解の三段階発達モデルの精緻化とその検証
Project/Area Number |
20530600
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
加藤 義信 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (00036675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 美奈子 名古屋芸術大学, デザイン学部, 講師 (50457917)
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Keywords | 映像理解 / 幼児期 / 表象 / テレビ / 写真 |
Research Abstract |
本研究では,幼児期の子どもがテレビ映像や写真などのさまざまなレベルの映像を現実と区別し,最終的には映像を現実の映しであると理解できるようになっていく発達的過程を精緻にモデル化することを意図している。 平成22年度は,前年度に引き続き積極的に日本心理学会と日本発達心理学会において,本科研に関連するテーマの学会発表を行った(なお,日本発達心理学会は東日本大震災発生のため,開催地参集は中止となったが,理事会によって「学会としては成立した」とされ,論文集も発行されたので,本年度の成果に加えて記載した)。論文については,残念ながら22年度内に刊行をみたものはなかったが,現在「幼児における自己映像表象の理解」についての英語論文が1本,審査中である。また,現在印刷中で本年7月に刊行予定の著書『子どもの心的世界のゆらぎと発達』に,研究分担者の木村がこれまでの本科研研究の成果の全体をまとめた「映像やメディア理解をめぐるゆれと発達」と題する章を執筆した。 実証的研究としては,前年度及び前々年度から行ってきた,写真の表象性理解の発達をproperty realismの理解という観点から体系的に調べる実験を継続した。視覚的属性や聴覚的属性については4~5歳児におけるrealismの存在が明らかとなったので,平成22年度はさらに「重さ」という属性に焦点を当てて,その写真における表象性をどのように理解していくかを,4歳児を中心に組織的に調べた。新しく考案した課題による実験の結果,映像の表象性理解の三段階発達モデルが,テレビのような動画映像だけでなく,写真のような静止映像についても当てはまるだけでなく,機能的なレベルの実在か表象かという次元の理解からさらにはさまざまな属性次元の表象性理解をも包含するモデルとして精緻化可能である見通しが得られた。
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[Presentation] 心の発生2011
Author(s)
加藤義信(話題提供者), 月本洋(企画者)
Organizer
日本発達心理学会第22回大会論文集,P.2-3
Place of Presentation
東京学芸大学(東京)(シンポジウム)
Year and Date
2011-03-25
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