2011 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期における映像の表象性理解の三段階発達モデルの精緻化とその検証
Project/Area Number |
20530600
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
加藤 義信 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (00036675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 美奈子 名古屋芸術大学, デザイン学部, 講師 (50457917)
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Keywords | 映像理解 / 幼児期 / 表象 / テレビ / 写真 |
Research Abstract |
本研究では,実証的データを踏まえて,幼児期から児童期のはじめまでの子どもがテレビや写真などの映像を実在と区別し,その表象的特性を明確に理解するようになっていく発達過程の精緻なモデル構築を目的としている。 平成23年度は,本科研課題の最終年度にあたり,これまで3年間で積み上げてきた研究のまとめを行うよう努めた。特に,国際的レベルでの発信を心がけ,23年8月にはノルウェーのベルゲンで開かれた第15回ヨーロッパ発達心理学会において研究発表を行い,乳幼児認知発達研究の第一人者Philippe Rochat教授などからも貴重な助言を得ることができた。このときの発表は,24年3月にイタリアのMedimond社から出版された学会のProceedingsに5頁分の論文として掲載することができた。さらに,24年3月の第23回日本発達心理学会(名古屋)では,本科研代表者・加藤が中心になって招聘した「心の理論」研究の創始者・ザルツブルク大学のJosef Perner教授をコメンテータとする大会企画シンポジウムにおいて,研究分担者の木村が「Considering the development of understanding of iconic representation through the prism of perspective」と題する発表を行った。この発表では,これまで本研究グループで練り上げてきた映像の表象性理解の三段階発達モデルを,実証的なデータを示しながら,Perner教授が最近唱える「perspective」という観点からの表象発達の三段階モデルと関連づける新たな試みを提案した。Perner教授からは,本研究が明らかにした実験的事実自体が「surprising findings」であり,たいへん興味深い発表であるとの高い評価を受けることができた。
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