2010 Fiscal Year Annual Research Report
J.COSS日本語文法理解テスト評価支援一体版・視覚版・簡易版の開発
Project/Area Number |
20530604
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中川 佳子 健康科学大学, 健康科学部, 准教授 (50389821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 高正 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20143703)
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70322112)
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Keywords | 生涯発達 / 言語発達 / 文法発達 / 聴覚障害 / 高齢者 / 発達障害 / 言語発達検査 / 認知症スクリーニング |
Research Abstract |
(1)J.COSS日本語理解テスト評価一体版の開発 3歳から12歳まで幼児や児童、高齢者の日本語文法理解の発達過程と平均獲得時期を調査した結果から文法理解の生涯発達過程が指標として示されている。この指標をもとに、発達障害児や学習障害児、聴覚障害児、認知症、失語症者における文法理解力を調査し、発達の特異性と、授受関係や助詞の理解に困難が認められた。そこで、自閉症児と学習障害児、高齢者に対して、理解が困難なこれらの項目に対して理解に至るまでの下位目標を設定し、目標を順次達成するプログラム学習の手続きで支援を行い、文法理解の改善が示された。これら評価と支援の結果を論文として心身健康科学と健康科学大学紀要で報告した。 (2)J.COSS日本語文法理解テスト視覚版の開発 J.COSS日本語理解テストは従来検査者が問題を口頭で提示する聴覚版のテストであり、聴覚障害児や失語症患者など聴覚理解に問題のある対象児・者への実施は困難であった。そこで、J.COSS日本語理解テスト視覚版を作成し、健聴な小学生を対象に、書記日本語文法理解の発達過程を横断的に調査した結果をもとに、J.COSS日本語理解テストの視覚版と聴覚版を比較検討したものを発達心理学会第21回で発表した。また、書記日本語文法理解の発達過程を指標に、聴覚障害児を対象にJ・COSS日本語理解テストを用いて書記日本語文法発達過程の調査を行い、文法理解の特異性や、健聴児と聴覚障害児の発達過程の相違を発達心理学会第22回大会、International Society of Neuropsychology the 39^<th> Annual Meetingで発表した。 (3)J.COSS日本語理解テストの出版 J.COSS日本語理解テストの図版と解説を出版した。図版は視覚版ならびに聴覚版の両形式に対応しており、聴覚理解に困難な対象児・者にも適用できるものとなった。解説はテスト手続きやこれまでの調査データを示し、学習障害児や聴覚障害児、第二言語学習者、認知症や失語症患者の言語能力を評価判定できるものとなっており、心理・教育・医療の現場で活用されている。
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Research Products
(4 results)