2009 Fiscal Year Annual Research Report
保育教育困難幼児に対する認知特性を生かした保育支援
Project/Area Number |
20530606
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
秦野 悦子 Shirayuri College, 文学部, 教授 (50114921)
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Keywords | 保育教育困難児 / 認知のアンバランス / 障害児保育 / 発達アセスメント / 特別ニーズ保育 / インクルージョン / 軽度発達障害 / 保育臨床 |
Research Abstract |
【内容】 政令指定都市K市公立保育所73園全数調査(2008年度調査)に引き続き2009年度は、首都圏保育所3歳児・4歳児・5歳児クラスにおける,明らかな知的遅れはないが,保育園生活で行動面や対人関係など社会面での適応が難しく,特別ニーズ保育が必要な子どもの実態調査を園長および担任保育者に対して行った。2008年度調査と2009年度首都圏調査による227保育所における特別ニーズ保育児の出現数を比較検討した。その結果11から2%、男児は女児よりも3~4倍の存在が示された。またおもに他者とトラブルを引き起こしたり集団保育の困難につながる行動に関連するものとして「[衝動・攻撃」「一方的主張」「情動コントロール」「活動参加」が指摘された。保育という生活をともにする場で気になる個人の認知・行動特性や環境的要因として「基本的生活習慣」「人間関係の基礎となる活動」が指摘された。 【意義・重要性】(1) 特別ニーズ保育児の保育困難要因として「衝動・攻撃」「一方的主張」「情動コントロール」「活動参加」の4要因は保育士がとらえる特徴的行動であり,アセスメント項目として有効である。(2) 12%の子どもに対して,幼児期の特別ニーズ保育が必要との視点で日常支援の枠組みを構築していく必要性が指摘された。(4) 保育教育困難の中核としての「理解・ことば」「衝動・攻撃」「一方的主張」が、発達の中でどう変化するか保育教育現場での対応のありかたを検討することが継続的課題とされた。
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