2008 Fiscal Year Annual Research Report
対人関係の基盤となるソーシャルスキルの認知及び表現の発達的解明と教育的支援
Project/Area Number |
20530608
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
渡辺 弥生 Hosei University, 文学部, 教授 (00210956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 圭一 法政大学, 文学部, 准教授 (70366821)
小林 朋子 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90337733)
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Keywords | ソーシャルスキル / 対人関係 / 思いやり / 読み聞かせ / 児童・生徒 / いじめ / 発達 / 自尊心 |
Research Abstract |
<基礎的研究> (1)言語表現の認知及び表現に関するソーシャルスキルの研究:思いやりを育てるプログラムにおいては、絵本の読み聞かせが重視されてきた。本研究では、どのような読み聞かせの表現が受け手の物語への共感性を高めるかについて検討した。絵本を聞かせる対象として、幼児対象、児童対象、生徒対象、成人対象という4つの状況をイメージさせ、6人の成人(女性)を調査協力者として、読み聞かせ行動をお願いし、各自4回の絵本の読み聞かせの音声を録音した。現在分析中である。 <実験的研究> (1)感情に焦点を当てたソーシャルスキル教育:従来のSSTに、アンガーマネジメントなどの感情面の制御してきたS. S. GRINの方法をベースに、日本になじむいじめ予防教育として新しいバージョンのSSEを展開した。特に、「感情」をメタ認知し、それをコントロールできる力を育てるために、モノローグ型のモデリングをプログラムに導入したり、「自尊心」「敬意」などの感情をセッションのターゲットスキルとして導入した。 1)千葉県の高等学校31名をSSEクラスとそうでないクラスに分けて比較した。8つのターゲットスキルに基づくセッションを構成し、結果を比較したところ、実践後にソーシャルスキルの得点が向上した。 2)静岡県の高等学校全学校196名を対象に実施したところ、介入しなければ獲得したスキルが低下する傾向にあるが介入することによって、ソーシャルスキルを維持できることが明らかになった。 3)静岡県の中学校全校生徒563名を対象に計6回の授業を実施した。トレーニングを行わなかった中学校生徒743名と比較したところ、レジリエンスにおける「関係志向性」、自尊感情における「対人不安」と「劣等感」において有意な差が見られ、トレーニングによってこうした点について向上(もしくは改善)がみられたことが確認された。
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Research Products
(11 results)