2009 Fiscal Year Annual Research Report
対人関係の基盤となるソーシャルスキルの認知及び表現の発達的解明と教育的支援
Project/Area Number |
20530608
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
渡邊 弥生 Hosei University, 文学部, 教授 (00210956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 圭一 法政大学, 文学部, 准教授 (70366821)
小林 朋子 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90337733)
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Keywords | ソーシャルスキル / 対人関係 / 思いやり / 読み聞かせ / 児童・生徒 / いじめ / 発達 / 自尊心 |
Research Abstract |
<基礎的研究>言語表現の認知及び表現に関するソーシャルスキルの研究:思いやりを育てるプログラムにおいては絵本の読み聞かせが重視されてきた。本研究では、どのような読み聞かせの表現が受け手の物語への共感性を高めるかについて検討した。絵本を聞かせる対象として、幼児対象、児童対象、生徒対象、成人対象という4つの状況をイメージさせ、6人の成人(女性)を調査協力者として読み聞かせ行動を比較した結果、生徒→児童→幼児という順に、絵本を読み上げる速度が遅くなり、ポーズの長さおよび頻度が増大し、声の抑揚の幅(ピッチレンジ)が拡大することが示され、対象年齢が若いほどゆっくりと、感情を込めて読み聞かせを行うことが明らかとなった <実験的研究>感情に焦点を当てたソーシャルスキル教育:従来のSSTに、S.S.GRINの方法をベースに、いじめ予防教育として新しいバージョンのSSEを展開した。特に、「感情」をメタ認知し、それをコントロールできる力を育てるために、モノローグ型のモデリングをプログラムに導入し、「自尊心」「敬意」などの感情をセッションのターゲットスキルとして導入した。(1)千葉県の高等学校にてSSEクラスとそうでないクラスに分けて比較した。8つのセッションを構成し、「自尊心」のメタ認知に焦点を当て実践したところ、自尊心およびソーシャルスキルの得点が向上した。(2)静岡県の中学校全体を対象に実施したところ、介入しなければ獲得したスキルが低下する傾向にあるが介入することによって、ソーシャルスキルを維持できることが明らかになった。(3)長野県の高等学校1年生を対象に、自尊心、ソーシャルスキル、オリジナルな時間的展望尺度を取り入れ、実践を行った。実践後も般化の方法を複数準備し、介入後どのようなサポートをすることが効果を維持するかについて検討中である。
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Research Products
(18 results)