2008 Fiscal Year Annual Research Report
母親の社会的情動発達プログラムの開発-情動認知と応答行動の発達過程-
Project/Area Number |
20530614
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Research Institution | Aichi Konan College |
Principal Investigator |
小原 倫子 Aichi Konan College, 現代幼児学科, 准教授 (10450032)
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Keywords | 親子関係 / 情動認知 / 育児ストレス |
Research Abstract |
本研究は、子どもの要求や意図がわからないために、育児不適応を生じている母親に対して、適応的な子どもへの関わり方を体験的にトレーニングできる発達プログラムの開発を目的とした、母親による子どもの情動認知の発達過程についての基礎研究である。 本年度は、まず母親の情動認知を評価する指標となる乳幼児のVTR刺激を作成した。最初に愛知県内の3, 6, 9, 12カ月の乳児の自由遊び場面を各5名ずつ撮影した。それらVTRの中から、Positive, Negative, Neutralな情動を表出している場面を選択し、15秒のVTRクリップを各月齢20ずつ作成した。計80のVTRクリップの妥当性を検証するために、乳幼児を子育て中の母親127名を対象に、80のVTRクリップすべてに対して「乳児の情動状態」と「乳児の情動のわかりやすさ」について評定を行い、最終的に各月齢5クリップずつを採択し、VTR刺激とした。 次に、これらのVTR刺激を指標として用い、現在3, 6, 9, 12カ月の乳児を持つ母親を対象に調査面接を実施している。併せて、母親の対児感情、情動的有能性、育児困難感、抑うつ感についての質問紙調査を実施している。 本年度行った乳幼児のVTR刺激の作成は、今後の「母親による子どもの情動認知の発達過程」を調査するうえで、基本となる重要な指標である。今後はVTR刺激の更なる妥当性と信頼性の検証を行うと同時に、縦断及び横断的な調査面接と質問紙調査のデータを蓄積し、多様な調査アプローチから、「母親による子どもの情動認知の発達過程」を精査していきたいと考えている。
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