2009 Fiscal Year Annual Research Report
学童保育での適応困難児の発達支援と指導員のコンサルテーションに関する心理学的研究
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20530615
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Research Institution | Koran Women's Junior College |
Principal Investigator |
遠矢 幸子 Koran Women's Junior College, ライフプランニング総合学科, 教授 (60195443)
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Keywords | 発逹障害 / 学童保育 |
Research Abstract |
本研究は、学童保育における児童発達支援システムの構築に関する実証的、事例的検討を行うことを目的とする。 平成21年度は、平成20年度に行ったある自治体の全学童保育所に対する巡回相談の結果を受けて、特に支援ニーズが高いと判断された二つの学童保育所に対して、各々2週間に1回の頻度で継続的な巡回相談を行った(2009年5月より2010年3月)。巡回相談時には、まず要支援児童の様子、子ども同士の関わり、子どもと指導員との関わりについて、保育時間中の参与観察を行った。その後、主任指導員とのミーティングでは、2週間の間に学童保育で起こった問題や出来事の報告を受け、要支援児童を中心に当日の子どもたちの様子を摺り合わせ、個々の子どもへの対応について具体的なアドバイスを行った。また、支援ニーズの調査研究結果から、指導員のメンタルケアが強く求められていたため、あらゆる困難にじっくりと耳を傾けた。当初は、相談員が要支援児童に1対1で対応する支援も想定されたが、より自然な状況を把握するために相談員も保育場面に入り、要支援児童を中心に子どもと関わりながら指導員の対応を含んだ関与観察を行った結果、トラブルの生起しやすい状況の把握や、それぞれの子どもに合った具体的な支援方法の提示が可能となった。特に、遊びに関しては、見守る保育から指導員が子どもの集団遊びに積極的に関わりリードする役割を取る方向へ転換することで、要支援児童の遊びの幅が拡がり他の児童との共有体験を増やすことにつながった。また、継続的な巡回により、子どもの変化や成長に応じた支援プランを、そのつど修正しながら立てることが可能となり、大変有効であった。平成22年度は、平成21年度に行った二カ所の学童保育所への巡回相談を継続し、特に、チームとしての指導員の連携強化、および、指導員個々の要支援児童への効果的な関わりのスキルアップをバックアップするとともに、児童の発達支援に関する指導員・保護者・学校との連携体制の構築を目指す。
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Research Products
(3 results)