2010 Fiscal Year Annual Research Report
重度・重複障害児における共同注意の障害と発達支援の要因に関する研究
Project/Area Number |
20530618
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
徳永 豊 福岡大学, 人文学部, 教授 (30217492)
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Keywords | 重度・重複障害 / 共同注意 / 発達支援 / コミュニケーション |
Research Abstract |
重度・重複障害児を対象として、共同注意行動が形成される前後における発達項目である共同注意関連行動を手がかりに、その発達の様相を検討した。重度・重複障害児を対象として、共同注意行動が形成される前後における発達評価とその発達支援の要因を検討し、学習到達度チェックリストの活用を行った。 1)重度・重複障害児の発達評価項目の整理 「対象への注意」から「注意の共有」までの共同注意関連の30項目からなる行動評価の改訂版(大神2001)を基礎としながら、遠城寺式乳幼児分析的発達検査と新版K式発達検査の項目を参考に、1歳程度及び1歳以下の発達を評価する項目を整理した。これを活用しながら、5事例の重度・重複障害児の発達評価を行い、評価項目の改訂を行った。 2)発達評価の項目の妥当性の検討 重度・重複障害児が教育を受けている特別支援学校(肢体不自由)で、小学部において重複障害の指導を担当している教諭10名に、この発達評価の項目により、重複障害児の実態把握を実施し、項目ごとの行動記録をまとめた。さらに、根拠となる行動と次の指導の目標設定を整理した。 3)重度・重複障害児の指導場面における発達評価の実施 上記の発達評価項目にもとづき、重度・重複障害児の授業経過についてまとめ、一年間の発達評価や行動特性を検討した。この経過について実態把握、目標設定、指導及び指導の評価に関する事例検討を行い、学会で発表し報告書としてまとめた。
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