2008 Fiscal Year Annual Research Report
コンパニオン・アニマルとの生活が高齢者の精神的健康に及ぼす影響
Project/Area Number |
20530625
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
安藤 孝敏 Yokohama National University, 教育人間科学部, 教授 (00202789)
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Keywords | 健康心理学 / コンパニオン・アニマル / ペットロス / 精神的健康 / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢期にある人たちと家族の一員であると認識されるようになってきたコンパニオン・アニマル(伴侶動物)との“日常生活における関わり"に着目し、高齢者がコンパニオン・アニマルと生活すること(できなくなること)の心理的影響およびその持続性(あるいは変化)を、実証データにもとづいて、良否両側面から詳細に検討することであった。 質問紙による郵送調査が首都圏に居住する60歳以上の「犬」を飼っている男女257人を対象に実施され、男性107人、女性116人から回答が得られた(回収率86.8%)。犬の飼育数は約8割が1匹であった。飼育場所は8割強が家の中であったが、年齢別に見ると、高年齢者で家の外が増加していた。飼育されている犬の年齢は7〜8歳が最も多く、それ以下の年齢の犬が過半数を占めるが、13歳以上の高齢犬も1割強と少なくなかった。犬との情緒的一体感は強い(尺度の平均得点は高い)が、年齢が高くなると情緒的一体感は減少する傾向にあった。ペットをなくした経験があるのは約1割で、性別・年齢による相違はなかった。量的な質問紙調査とは別に、過去1年間にペットをなくした経験のある5人の中高年者を対象に半構造化インタビューを実施し、ペットロスに対する反応や対処法などに関する情報を収集した。 これらの量的・質的調査の結果をべースに、次年度に同一対象に追跡調査を実施し、約1年間のペットとの日常生活における関わりなどの変化について検証し、高齢者がコンパニオン・アニマルと生活することの意義や影響、コンパニオン・アニマルと生活を続けるための具体的な支援策などについて提案する。
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