2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
A Historical Analysis of the Information on Educational Pathology in the Psychological and Educational Journals in Pre-World War II in Japan
Project/Area Number |
20530636
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Clinical psychology
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Research Institution | Takasaki University of Commerce |
Principal Investigator |
SHIMOYAMA Toshiko Takasaki University of Commerce, 商学部, 准教授 (30287908)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 心理・教育ジャーナリズム / 教育病理 / 情緒・精神障害 / 発達障害 / 反社会的問題行動 |
Research Abstract |
(1)本研究は、「近代日本心理学における『教育病理』の系譜と教育ジャーナリズム」というテーマのもとに明治中期から昭和戦前期を対象時期として、心理・教育ジャーナリズムの中でも雑誌メディアが発信した教育病理情報を、幼児・児童・生徒・保護者を含み込んだ近代日本人の心理的障害、すなわち「発達障害」「情緒・精神障害」そして「不登校」などの「学校不適応」や少年非行などの「反社会的問題行動」などという角度から歴史的に検証することを目的とする。 (2)ここでいう「教育病理」とは、従来、指摘されているような教育等の結果において生じる問題状況や現象という概念を含みながらも、幼児・児童・生徒の心理的障害全般を指す。言葉を換えて言えば、もう少しこの概念を広くとらえ「発達障害」「情緒・精神障害」「学校不適応」「反社会的問題行動」などの児童の「精神欠損」を指す。「教育病理」情報とは、単純に諸雑誌が発信する「教育病理」関連の言語情報という意味において用いる。即ち、日本の現実にてらして、「発達障害」「情緒・精神障害」「学校不適応」「反社会的問題行動」などの心理的障害という現象の理解にとどまらず、それらの問題行動を通しての児童・生徒の生き方あり方について明らかにしてゆきたい。 教育病理の体験や雑誌メディアを通して獲得した第二次的経験をもとに、如何に概念化され、原因の究明に如何に支援しようとしているのか。そしてどのようにして、それらの教育病理の克服につなぐ行為のもの全てをここでは教育病理という概念で用いる。 従来の教育病理学に関する教育学研究においては、「学校嫌い」「不登校」「非行」「自殺」「神経症(ノイローゼ)」等の問題は、「学校化」社会が進む1965年以後の問題であるとされてきた。 が、しかし、これらの問題が既に明治中期・昭和戦前期においても生起しており、不登校などの学校不適応でさえも「教育病理学」の概念に内包されていたのである。これらの問題を解く大きな一つの鍵は、歴史的洞察であると考える。
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