2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530640
|
Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
石川 利江 J. F. Oberlin University, 心理・教育学系, 教授 (20222979)
|
Keywords | ソーシャルサポート / 健康行動 / ピア・サポート |
Research Abstract |
ソーシャルサポートと健康との関連性について、ソーシャルサポートの提供という観点から検討を行った。本年度は、対象者が健康行動を実行することで他者が利益をうけるというシステムが、対象者の健康行動の生起と継続にどのような影響を与えるかについて、調査的検討と実験的検討を行った。調査研究は、一般成人159名(平均年齢60.8歳)であり、そのうち自分で目標設定した健康行動を実施するとポイントを獲得でき、そのポイントは子どもの施設整備などに寄付できるとされている健康促進プログラムに2年継続して参加している参加継続群(53名)、1年だけ参加し現在は参加していない経験群(52名)、一度も参加していない不参加群の比較を行った。その結果、参加継続群は体調、健康への関心、社会貢献への関心、仲間とのかかわりなど他2群よりも有意に良い結果を示した。他者ヘポイントを寄付できることで健康行動の開始きっかけとなったと回答した者は目標達成度が高いことが示された。一方、実験的研究では、大学生を対象とし、健康行動の実施に伴い自己のポイントとなる場合と他者の利益になる場合(介助犬への寄付)で健康行動の実施度、自尊心の相違について検討したが、有意な差が認められなかった。 これらのことから、年齢の要因、他者へのサポートへのフィードバックの方法について検討を加える必要が示された。
|