2008 Fiscal Year Annual Research Report
対人援助職の離職を防ぐためのバーンアウトの予防と回復に関する研究
Project/Area Number |
20530641
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
増田 真也 Keio University, 看護医療学部, 准教授 (80291285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 和代 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60326080)
上野 徳美 大分大学, 医学部, 教授 (50144788)
荻野 佳代子 早稲田大学, 女性研究者支援総合研究所, 准教授 (20308159)
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Keywords | バーンアウト / 介入 / 不合理な信念 / 首尾一貫感覚 / リスク |
Research Abstract |
平成20年度は研究者がそれぞれ分担しで、インタビュー調査、質問紙調査、介入の試行と効果測定の3つを行った。 インタビュー調査では、看護職者、福祉職従事者各5名に「仕事とうまくつき合うための6つの戦略」を試してもらい、その実行過程における問題点を明らかにした。例えば、問題は複合的で、1つの仕事領域だけで捉えられないことが多く、仕事領域間の関連性を明確にしていく必要があることがわかった。 質問紙調査は、福祉従事者を対象にしたものと、看護職を対象にしたものの2件行った。福祉従事者を対象にした調査では、リスク要因との交互作用が認められ、不合理な信念の変容がただちにバーンアウトの低減につながるわけではないことがわかった。また看護師を対象とした調査では、首尾一貫感覚とバーンアウトとの高い相関が認められたものの、仕事の上で成長したと思われる重大な体験と首尾一貫感覚との関係は見られず、首尾一貫感覚の向上のための方法については、さらに検討する必要があった。ただし深刻なバーンアウト状態にある看護師であっても、なかなか援助を求めないことが示されたことから、介入方法の内容はもちろんのこと、援助へのアクセスビリティをまず高める必要があることが明らかになった。 最後に、50名の看護師の集団研修時に不合理な信念の抽出とグループディスカッションを通じた変容を目指す介入研究を2度行った。ただし、特に高いバーンアウト傾向を示す者の事後調査の返送率が低かったため、効果の測定は十分に行えず、次年度以降の課題となつた。
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Research Products
(2 results)