2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本における臨床心理士の教育訓練と職業的発達上の課題について
Project/Area Number |
20530643
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
金沢 吉展 Meiji Gakuin University, 心理学部, 教授 (10152779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩壁 茂 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 准教授 (10326522)
下山 晴彦 東京大学, 教育学研究科, 教授 (60167450)
新保 幸洋 東邦大学, 理学部, 准教授 (10226350)
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Keywords | セラピスト論 / 職業的発達 / 教育系心理学 / 臨床心理士 / 現場研修 / 臨床心理学研究法 / プログラム開発 / 効果測定 |
Research Abstract |
今年度は以下の研究を行った。 1.臨床心理士の成長過程、特に職業的転機について、インタビュー内容の質的な分析を行った。大学院入学に際して、社会人入学者と学部からのストレート進学者との間では、この職業的転機の意味がかなり異なっていることが明らかになった。また個人としてのライフイベントとの重なりや同輩・同僚たちとの良好な学習体験や相互支持の経験などが、調査協力者たちの主観的な成長感を支える大きな要因になっていることも示唆された。また、昨年度行った研究の一部(「心理面接の基礎的なスキルに関するトレーニング方法の効果測定研究」)について、日本心理臨床学会第27回大会において口頭発表を行った。 2.成長初期の心理臨床家の発達について明らかにするために、修士課程修了直後の心理臨床家17名を対象に、6ヶ月間の間隔をおいて、半構造化面接の手法を用いて2回のインタビュー調査(各約90分間)を行った(但し、一部の調査対象者は今年度中1回の面接)。その結果について、現在、質的な分析を行っている。結果の一部からは、大学院での臨床訓練における困難体験について5つのカテゴリーが得られた。一方、大学院での有益な体験については6つのカテゴリーが得られ、最終的に1つの中核カテゴリーにまとめられた。 3.臨床心理学に関連する職業意識の発展過程における現場研修(インターンシップ)体験が専門的職業意識の促進に役立つことが明らかとなった。また、臨床心理学の専門性と関連する臨床心理学研究法に関する書籍を出版した。
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Research Products
(3 results)