2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530663
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
高橋 成子 Kyoto City University of Arts, 美術学部, 教授 (90216721)
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Keywords | 物体知覚 / 奥行き知覚 / 空間知覚 / 文脈効果 / 脳イメージング / fMRI |
Research Abstract |
本研究の目的は、刺激構造の体系的差異が、2つの視覚伝達路による空間情報の処理、内的表象の違い、内的表現の準拠枠の違い、視覚的注意の配分構造の違いに関わっているという新たな仮説を立て、物体知覚と空間知覚の機能的違いについて、物体および空間の3次元構造の内的表象過程を、絵画・彫刻等に見られる物体・空間表現も参照しながら、文脈統合過程に着目して実験心理学的に検討することによって明らかにすることである。本年度は、まず、物体と空間の画像的イメージ構造の違いの検討を行なった。物体知覚、空間知覚を引き起こす様々な画像の特徴を、統計学を基礎に解析し、イメージ構造の違いを検討した。解析の対象として、従来のような物体・空間の写真だけでなく、絵画や彫刻における表現についても画像データを収集した。これによって、物体の3次元構造と空間の3次元構造のキーとなる刺激特徴を検討した。検討結果に含まれる刺激特徴の知覚的意味を明らかにするために、3次元物体知覚の文脈効果について、心理物理的実験および脳イメージング実験によって検討した。刺激の文脈の体系的変化に対応して、どのように奥行き知覚判断が変化するかを、実験的に明らかにするために、美術表現にも援用されているStereo Kinetic Effect現象に着目した。刺激統制は、空間周波数、視角範囲と写像の関係、刺激要素の幾何学的関係など、多次元的に制御した。その結果、物体の3次元構造の内的表象過程に関わる脳内部位を同定することができた。同定部位は、側頭の形態表象部位(LO)および頭頂の奥行き表象部位であり、これらの部位が、物体の3次元表象に重要であることを明らかにした。成果は国際誌に発表した。
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Research Products
(1 results)