2010 Fiscal Year Annual Research Report
新生仔期NMDA拮抗薬投与ラットの行動異常の解析:統合失調症の動物モデルとして
Project/Area Number |
20530664
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川辺 光一 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (30336797)
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Keywords | 作業記憶 / sensorimotor gating / NMDA受容体 / グルタミン酸 / カンナビノイドCB1受容体 / 認知障害 / 統合失調症 / 動物モデル |
Research Abstract |
グルタミン酸受容体の一種であるNMDA受容体の拮抗薬(MK-801)を新生仔期に反復投与したラットは、成育後においても様々な行動・認知機能の異常を示す。本研究は、このMK-801投与ラットについて、統合失調症患者に顕著な障害が認められる作業記憶やsensorimotor gatingなどの認知機能や行動の特性を調べ、このラットの統合失調症モデルとしての可能性について検証することを目的とした。本年度はMK-801に対する感受性期を調べるために、MK-801(0.4mg/kg)を7~11日齢(初期群)、12~16日齢(中期群)、17~21日齢(後期群)のいずれかに1日2回皮下投与し、その成育後に次の行動指標について評価を行った:(1)sensorimotor gatingの指標であるプレパルス抑制(PPI)、(2)作業記憶の指標である自発的交替反応(SA)、(3)オープンフィールド活動性(OF)。その結果、いずれの群においてもPPI、SA、OFに対する薬物効果は認められなかった。一方、14日間投与(7~20日齢)はPPIを障害する傾向があることから、認知・行動障害を引き起こすためにはある程度長期間のMK-801投与が必要なことが示唆される。また、カンナビノイドCB1受容体が抗精神病薬の標的部位の候補の一つと考えられていることから、CB1受容体の認知機能に対する役割についても検討した。本年度はCB1受容体作動薬であるmethanandamide(1,3mg/kg, i.p.)がラットにおける宣言的記憶の指標とされる自発的物体再認にどのような効果をもたらすかを調べた。結果として、methananamideはこの再認に影響しなかった。しかしながら、実験に使用した個体の活動性が低く、装置内での物体探索時間が短い傾向にあったため、この結果については再検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)