2009 Fiscal Year Annual Research Report
記憶における確信度と正確さの関連に関する基礎的および応用的研究
Project/Area Number |
20530665
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伊東 裕司 Keio University, 文学部, 教授 (70151545)
|
Keywords | 目撃記憶 / 確信度 / メタ認知 / 対人間メタ認知 / 自人種効果 / 犯人識別判断 / C-A関連 / 文化間比較 |
Research Abstract |
記憶についての確信度と記憶の正確さの関係(C-A関連)について、昨年度作製したビデオ映像を用いて、記憶テストに推測で正答できる可能性が高いかどうかがC-A関連にどのように影響するかについて記憶テスト項目を用意し、予備的データを収集した。その結果、実験参加者にとって、各テスト項目の回答の推測可能性が安定して設定できておらず、記憶テスト項目、および実験手続きに工夫が必要であることが示唆された。来年度には、この結果を踏まえて実験材料、手続きを変更し、記憶実験を行いデータを集める必要がある。 対人間メタ認知については,昨年度に続きデータ収集を行い、予定したデータの収集を終了した。その結果、異人種(アングロサクソン)の顔より自人種(アジア人)の顔をより正確に判断できる自人種効果が,目撃者役の実験参加者に見られること,捜査官役の参加者は,自人種効果の存在を知ってはいるが,目撃者の犯人識別判断(ラインナップ)の結果を,犯人がだれであるかについての自身の判断に反映させる際に、その知識を用いることはない,という、昨年度観察された事柄が確認された。このことは、対人間メタ認知的な知識は、それがあるからといって、知識と整合する形で判断を調整することに用いることはできないことを示すものである。ヴィクトリア大学のS.Lindsayらのグループが同じ実験材料を用いて、アングロサクソンの実験参加者について同様の結果を得ていたが、その結果が実験材料の性質(アングロサクソンとアジア人のラインナップの困難さ)の差によるものではないことが明らかになった。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Journal Article]2009
Author(s)
伊東裕司
-
Journal Title
裁判員制度と法心理学(第16章 裁判員の判断に対する感情的要因の影響)(ぎょうせい)
Pages: 196-206
-
-
-