2008 Fiscal Year Annual Research Report
教員研修の効果の評価に関する教育哲学的・文化比較的研究
Project/Area Number |
20530687
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
野平 慎二 University of Toyama, 人間発達科学部, 教授 (50243530)
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Keywords | 教員研修 / 研修効果 / 物語論 / シンボル理論 / ドイツ |
Research Abstract |
本研究の目的は、教員研修の評価方法について、教育哲学的、文化比較的な観点から検討し、適切な評価方法を探究するとともに、効果的な研修のあり方について考察することである。 この目的のもと、平成20年度は以下の3点に関する資料の収集と分析、現地調査を実施した。(1)日本とドイツにおける、教員としての成長・職業能力の向上の実相。(2)日本とドイツにおける、教員研修の体制と内容。(3)教育研究における物語論の援用の実際。 このうち(1)については、教師教育学の文献を収集し、分析に着手した。(2)については、富山県教育委員会総合教育センター、およびドイツ連邦共和国ザクセン・アンハルト州教育委員会において、訪問調査、資料収集を実施した。また(3)については、ドイツ連邦共和国・マグデブルク大学のW・マロツキー教授のもとで資料収集、情報交換を行なった。 (1)および(3)の作業の結果、職業能力の向上の方向性として、授業実践から組織(学級、学年、学校)経営へという方向性があること、職業能力の実相は、自己や他者からの言葉による描写(物語)に左右されること、などが明らかとなった。また、(2)の作業からは、ドイツ(州によって差はあるが)に比べ日本のほうが教員評価の導入が進んでいること、日本に比べドイツでは選択研修の割合が多いこと、同じく日本に比べドイツでは数値による教員評価(ないしは説明責任)に対して慎重であること(換言すれば、言葉による描写の比重が大きいこと)などが明らかとなった。
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