2010 Fiscal Year Annual Research Report
スタンリー・カベルと「大人の教育としての哲学」-人文科学の学際・国際的交流研究-
Project/Area Number |
20530690
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 直子 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (20334253)
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Keywords | 大人の教育としての哲学 / 日常言語の哲学 / エマソンの道徳的完成主義 / 市民性の教育 / 翻訳としての哲学 / 哲学の国際的対話交流 / 自己超越 / スタンリー・カベル |
Research Abstract |
本研究は、人文科学の再興と今日の高等教育における教養の復権に貢献しうる、アメリカの哲学者、スタンリー・カベル(Stanley Cavell)による哲学の再構築の意義を、哲学と教育学の融合を軸として人文科学を包括する「大人の教育としての哲学」の新領域として、国際的対話交流を通じて開拓することを目指す。 平成22年度は、平成22年10月より23年3月まで、ロンドン大学教育研究所に客員研究員として滞在し、海外共同研究者のポール・スタンディッシュ氏(ロンドン大学教育研究所教授)とめ共同研究の遂行に従事した。国際的連携を主軸に、国際学会・会議での英語論文発表、外国の大学での招待講演等を中心に研究活動に従事した。スタンディッシュ氏との一つ目の編著Stanley Cavell and the Education of Grownupsの最終稿を提出し、Fordham University Pressより平成23年年6月に出版されることになり、出版を記念するパネルを、アメリカ哲学促進学会にて開催した(平成23年3月12日)。また同著および二つ目の編著、カベル氏の新著の三つについて、ハーバード大学でカベル氏と会合した(平成23年3月14日)。さらにスタンディッシュ氏の単著邦訳『自己を超えて』の校正原稿を出版社(法政大学出版局)に提出し(平成23年2月)、今年度中の出版が決まった。同氏との共著、Democracy and Education from Dewey to Cavellについても執筆が進んでおり、イギリスのBlackwell Publishers, Co.よりの出版が決定している。二つ目の編著、Stanley Cavell and Understanding of Other Cultureについても、執筆構想が躍進した。三つ目の編著、京都学派の教育思想についての英語の著作の契約が成立しSpringer社に原稿を提出、来年度出版予定となった。 上記の成果は、ロンドン大学教育研究所滞在期間中に参加した数々の国際会議やセミナーでの発表や国際交流を通じて一層促進された。日本では、日本教育思想史学会、生存科学研究所の学術誌を通じて研究成果を公開した。本年度の成果を基に、来年度はスタンディッシュ氏との二つ目の編著の完成、自身の二つ目の単著From Language to the Political(本年度、Fordham University Pressにプロポーザル提出、審査中)の執筆を推進する予定である。
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Research Products
(8 results)