2010 Fiscal Year Annual Research Report
新教育運動期における学校空間の構成と子どもの学習活動の変化に関する比較史的研究
Project/Area Number |
20530692
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
渡邊 隆信 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (30294268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 健市郎 関西学院大学, 教育学部, 教授 (50229887)
山崎 洋子 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (40311823)
山名 淳 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (80240050)
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Keywords | 空間 / 新教育 / 学校 / 教室 / 学習活動 / アメリカ / イギリス / ドイツ |
Research Abstract |
本研究は、新教育運動期の学校空間の構成と子どもの学習活動の変化を、ドイツ、アメリカ、イギリスの具体的な事例に則して比較史的に解明することを目的とするものである。研究最終年となる22年度は、(1)新教育運動期における学校空間構成の実態解明、(2)空間構成に込められた教育理念の抽出に加えて、(3)新しい空間のもとでの学習活動の分析をおこなった。 渡邊は、ドイツの代表的な田園教育舎系学校の一つであるオーデンヴァルト校の学校空間と学習活動の関連について考察し、とりわけ、運動場建設を事例に、学校空間形成への生徒の関与自体が新教育の重要な学習活動の一つであったこととを明らがにした。宮本は、アメリカの学校建築の変遷を、1900年以前の進歩主義教育以前(教会モデル)、19世紀末から1940年の大規模学校建築の時代(工場モデル)、1940年以後の子ども中心の学校建築の時代(自然・家庭モデル)に整理したうえで、子ども中心の学校空間の特質と学習活動の変化をクロウ・アイランド小学校を中心に解明した。山崎は、イギリス新教育運動期前後の学校空間構成を視野に入れながら、とりわけ19世紀末の中等教育を対象にした新学校とその影響を受けた1920年代の新教育の学校空間構成の変化を、公教育制度と関連づけながら分析した。山名は、ドイツ田園教育舎の学校空間について、ボルツの「埋め合わせ」理論を用いて分析することを通して、従来の規律論的解釈とは異なったシステム理論的解釈をおこなった。
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Research Products
(6 results)