2010 Fiscal Year Annual Research Report
「動く」家具を媒介とする日本型「無限定性」教室の創出-西洋型空間からの脱却-
Project/Area Number |
20530696
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々野 好継 長崎大学, 教育学部, 准教授 (30215743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 香織 長崎大学, 教育学部, 准教授 (00432964)
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Keywords | 耐震改修工事 / 小学校施設整備指針 / 「無限定性」教室 / オモテとウラおよびオク / 日本文化の継承 / 「動く」家具 / 教育基本法 / 社会性の育成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、長崎大学教育学部における耐震改修工事に伴い、可動間仕切りの直交2軸で構成される「無限定性」教室を創出し、学習活動等の視点から、その教室モデルの有効性の検証と問題点および社会性の育成という教育学的意義を明らかにすることであった。 本年度における調査分析の結果を以下に示す。 1.「無限定性」教室における全体の1室、分割による個別の1室、さらに部分集合としての1室と、多様な学習内容・形態等に学生が柔軟に対応し・活用していたことが明らかになった。 2.また、「無限定性」教室における「オモテとウラおよびオク」などの空間特性による使われ方および可動間仕切りの開け閉めが、社会性の育成という点から有効に機能していることが明らかになった。 3.「無限定性」教室は、既存の学校施設における耐震改修工事等において創出できる教室モデルのひとつであると考えられた。 以上の調査結果などから、「無限定性」教室は、児童の主体的な活動を支援すると同時に教育基本法に示す社会性を育成し、また、多様な学習活動・形態等に柔軟に対応し・活用されることが明らかになった。 したがって、「無限定性」教室は、小・中・高等学校における学校施設整備指針に示す高機能かつ多機能で変化に対応し得る新しい教室モデルのひとつと位置付けることができる。
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