2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530698
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
阿部 彰 Teikyo Heisei University, 現代ライフ学部, 教授 (90054832)
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Keywords | 映画・映像史料 / 学習空間 / イメージ分析 / 学習・教育環境 / 画像情報データベース |
Research Abstract |
本研究では、3領域の研究課題を並行して進めることにより、当初の研究目的に近接することを期し一連の研究計画に取り組んできた。本年度は、3年計画の初年度に当たるが、各領域での取り組みの経過とその成果は、次の通りである。第一は、人間形成と学習環境に関わる映像史料(映画及びTV映像)の所蔵実態及び保存状態についての調査活動である。本年度は、過去において所在確認してある映像素材についての補足調査に加えて、新たな情報に基づき全国規模での調査活動を展開し、その成果をふまえて、既存の素材リストの拡充を図った。本年度の所用経費のうち、調査旅費が相当額を占めているのは、全国のべ15地域での調査活動が着実に行われたことを示している。第二は、既収集素材及び新規収集の映像素材について、研究代表者が二十数年にわたり蓄積してきた技法による解析活動である。本年度は、既収集分で未着手であった1960年代以降の映画作品30タイトル及び新収集の20タイトルについて、これまでと同様の手続きと方法により詳細な分析を行った。なお、この分析に不可欠な映像素材・複製品を入手するための軽輩が本年度の研究経費の最大部分を占めている。第三は、映像素材の製作意図・背景、児童生徒・一般市民の反響などを精査することにより、当該映像が「学習空間」に関わる研究において占める比類ない位置づけを実証することである。本年度も、これまでと同様、関連の各種文書資料の調査収集に止まることなく、製作を担当した当事者、映像を実際に教育・普及の場で活用した人々、さらには、当時学校、家庭、映画館等で視聴した人々への面接調査を実施し、実証性を高めることを期した。なお、本研究においては、研究の範囲・性格上、後日学術刊行物として一括して公刊することを予定し、個別の研究成果公表を予定していない。
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