2009 Fiscal Year Annual Research Report
新学制における女性の大学教育の進展に関する実態的研究-男女共学制の視点を中心に-
Project/Area Number |
20530705
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
湯川 次義 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授 (60188026)
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Keywords | 女性の大学教育 / 男女共学 / 女子大学 / 女性の大学進学意識 |
Research Abstract |
本年度の研究の概要を記すと、昨年度に引き続き、戦後の旧学制・新学制における女性への門戸開放及び女子高等教育機関の総合大学への統合化(共学化)に関する資料を、神戸大学・京都大学・東北大学・宮城県公文書館などで調査・収集した。さらには、女性の大学生が在籍した大学の種別(共学大学か女子大学か)を数量的に把握するため、文部省発行の『学校基本調査報告書』を悉皆的に調査した(1945年~1975年)。また、例えば「女子学生亡国論」などのような女性の大学生をめぐる論議について、その内容・時期的推移などを検討するため、『婦人公論』や『朝日新聞』を悉皆的に調査した(1948年~1975年)。 以上のような資料調査とともに、研究成果の一部を「新学制における女性の大学教育の進展に関する研究(中間報告書)」としてまとめた。この報告書には、2008年10月に大韓民国の高麗大学校の国際セミナーで英語で口頭発表した「戦後教育改革期における女性の大学教育制度の確立に関する考察」(英文と日本文)を掲載した。 さらに、これらの収集資料の一部の分析を進め、2010年度(最終年度)に研究をまとめる作業を行った。その結果、共学としての、新学制における女性への開放の実態とその特質をおおよそ把握することができた。2010年度には、別学としての女子大学の創設をめぐる動向や教育理念を中心とした女子大学の存在意義、女子学生の在学状況を調査・研究するが、これにより本研究を全体的にまとめることができると考える。
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