2008 Fiscal Year Annual Research Report
留学経験をもつ大学教授の教育研究活動にみる日本型大学院教育の影響に関する研究
Project/Area Number |
20530715
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 佳万 Tohoku University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (90284223)
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Keywords | 日本留学 / 大学院 / 韓国 / 台湾 / 中国 / 教授 / 教育研究活動 / 日本の影響 |
Research Abstract |
本研究は、日本で大学院教育を受けた留学生が、母国の大学教授として現在どのような教育研究活動を行っているのかに関する実態調査を通して、教授個人の教育研究活動レベルにおける日本の影響を分析し、そこから日本の大学院教育課程改革への示唆を得ようとするものであるが、初年度は以下のことを実施し、その一部を研究成果として発表した。 前半では、韓国、台湾、中国の大学院教育課程の特徴を把握するための課程表やシラバス等を郵送方法やウェブ上で入手し、大学院課程の特徴を検討した(継続中)。学問分野は多岐にわたるため、特に理系から工学系大学院、文系から教育系大学院に絞り、どのような履修要件で、どんなタイプの授業が行われ、どんな研究活動を行っているのかについてそれぞれ検討した。どの国(地域)も、授業科目構成や単位数等に関してアメリカの大学院教育課程と類似していることが確認できたが(特に博士課程)、博士学位取得に至るプロセスや条件に国別、機関別の違いが出ていることも明らかになった。大学院教育課程上の比較研究の成果は21年度に発表する予定である。またこうした検討を通して、質問紙調査の項目の検討も行った。 後半では、シラバスでは言及されていない点を明らかにするため、台湾、韓国、中国の研究大学を訪問し、教授に対して大学院教育課程の詳細を確認した。また彼らに対して、日本留学時代と現在の教育研究活動についてインタビューを実施した(21年度本格実施)。 本年度の出版物としては、研究室を対象とした論文と博士学位を対象としたそれの計2本がある。特に台湾については、秋に学会でも報告した。
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Research Products
(3 results)