2010 Fiscal Year Annual Research Report
留学経験をもつ大学教授の教育研究活動にみる日本型大学院教育の影響に関する研究
Project/Area Number |
20530715
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 佳万 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (90284223)
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Keywords | 日本留学 / 大学院 / 韓国 / 台湾 / 中国 / 教授 / 教育研究活動 / 日本の影響 |
Research Abstract |
本研究は、日本で大学院教育を受けた留学生が、母国の大学教授として現在どのような教育研究活動を行っているのかに関する実態調査を通して、教授個人の教育研究活動レベルにおける日本の影響を分析し、そこから日本の大学院教育課程改革への示唆を得ようとするものである。平成22年度は主として以下の2点を行った。 第一に、前年度の予備調査の結果を踏まえて、本年度は、中国、韓国、台湾の3カ国(地域)で本調査を実施し、収集したデータを入力して分析を行った。その分析にあたっては、1.全体の傾向、2.文系・理系別傾向、3.国別傾向、に注目した。日本留学の経験を有する大学教授たちが、日本の大学院教育についてどのような認識をもっているのか、現在どのような教育研究活動を行っているのかについて、日本で受けた教育研究との関係からある程度明らかにできた。特に、研究指導や研究室運営において日本的な特徴が存在することが明らかとなったが、その成果は、報告書として刊行した。今後は、インタビュー調査結果も踏まえたより深い考察を継続し、その成果を発表していく予定である。 第二に、これら質問紙調査の結果を国際学会で2度、国内の学会で1度報告した。特に国際学会では、国際的にみた日本の大学院教育の位置づけについて考える有益な情報が得られた。また、別に台湾と中国の大学で、当該国のケースに絞ってその結果を報告したが、こちらは、日本への送り出し国である彼らが、日本留学およびその成果をどのようにとらえているのかについて率直な意見を聞くことができたいへん有益な機会となった。
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Research Products
(4 results)