2009 Fiscal Year Annual Research Report
英国における大学教育のキャリア計画と専門職能開発の構造
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20530724
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 かおり Niigata University, 全学教育機構, 准教授 (80323997)
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Keywords | FD / 大学教授職 / 専門職能開発 |
Research Abstract |
英国における大学教員のキャリアおよび職能の領域(教育、研究、マネジメント)ごとの専門職能開発(professional development)のうち、本年度計画の中心である研究活動と管理運営(マネジメント)活動の領域の専門職能開発の取り組みに関する調査および分析の結果から、次のような成果が得られた。まず、研究にかかわる専門職能開発は、対象を研究者,アカデミックスタッフ,PhDキャリアの院生とし、専門職能・組織開発部門(人事部局),SDセンターにおいて研修プログラムが提供されている。プログラム設計の指標としてThe Joint Skill Statement (UKGRAD, HEFCs2001), Code of Practice 1(QAA2004),研究者開発の枠組み(現在作成中)があり、これらの指標作成にも関わる全英レベルの支援組織として、The Vitae Programme(The UKGRAD)がある。これらの活動は、ロバーツ調査報告書(2002)およびロバーツ資金(RCUK),研究者のキャリア開発支援の協定(2008)を政策的な根拠としている。管理運営活動の専門職能開発は、マネジャー(トップ,部局ヘッド,ライン,プロジェクト)を対象に、やはり専門職能・組織開発部門(人事部局),SDセンターにおいて研修プログラムが提供されている。その職責の指標として、ガバナンスのCode of Practice(CUC 2009)があり、全英レベルでの支援機関である高等教育リーダーシップ財団(LFHE)がマネジメント開発の研修プログラム提供をはじめ、高等教育機関を支援している。これら英国の取り組みは、教員の研究およびマネジメントの継続的な職能開発について殆ど手つかずのわが国における今後の議論に大いに示唆をあたえるであろう。
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