2008 Fiscal Year Annual Research Report
占領期日本における学校経営参加組織の制度化過程に関する研究
Project/Area Number |
20530736
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
平井 貴美代 University of Yamanashi, 教育人間科学部, 教授 (50325396)
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Keywords | 学校経営 / 経営参加 / 教育研究協議会 |
Research Abstract |
本研究は、日本の学校における経営参加組織として長らく慣行として置かれてきた「職員会議」などの教職員の経営参加組織について、占領下の教育改革期にさかのぼり制度化の特徴を明らかにすることを目的としている。とくに占領初期の1946年に文部省学校教育局長名で出された通達で、各学校にその設置が奨励された「学校長司会によらざる教職員の自主的な会合」としての「教育研究協議会」に注目し、その実施内容や取組みの浸透度合の差が、その後の「職員会議」などの経営参加組織の性格付けにおける、地域間の差異を産み出す要因の一つとなったとの仮説を実証することを主要な目的として設定した。 当初の計画では平成20年度中に教育研究協議会に関する政策史料等の収集を終えたうえで、平成21年度には地方資料を収集して地域間の学校参加実態の差異の分析に進む予定であったが、実際に取り組んでみると、GHQ/SCAP文書の資料収集及び分析に関わる作業量が当初想定していた以上に多いことが判明し、やむなく平成20年度の計画の一部を平成21年度に持ち越すこととなった。平成21年度に持ち越した作業としては、「戦後教育資料」関連、審議会議事録、教員組合や校長会等の教員団体の資料等の収集・分析、占領統治下の労働政策に関する先行研究の検討、などである。研究を開始するにあたって占領期研究に詳しい研究者に助言を求めたところ、教育研究協議会のみをターゲットに資料を探しても見つからない、それよりも「文部省手引書」など関連する学校経営事象を広く調べた方がよいとのご意見をいただいた。そこで、CIEのconference reportなど多くの資料を収集したが、まだすべてを網羅したとは言えない状況である。また分析についても、平成21年度の作業課題とせざるを得なくなった。
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Research Products
(1 results)