2008 Fiscal Year Annual Research Report
自動車・電機・鉄鋼業における企業内教育の展開と人材育成に関する実証的研究
Project/Area Number |
20530737
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
永田 萬享 Fukuoka University of Education, 教育学部, 教授 (70155935)
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Keywords | 電機産業 / 企業内教育 / 技術教育 / ものづくり教育 / OJT / OffJT |
Research Abstract |
電機産業の労働力構成は、高卒採用が見送られている一方で、高専・大卒採用が主流を占めており、、ある大手電機メーカーの場合、85%はマスター、8%はドクター、7%はバチェラーというように高学歴化が進み、技術者比率が極めて高いことが特徴的である。そのことはものづくりが行われる生産現場における組織編成の再編がグローバリズム化の進展のなかで大胆に行われていることとも関係している。調査によれば、ものづくりの基本構造は商品化軸とSCM軸から成り、前者は研究、商品開発、試作、そして後者は購買、検収、量産(生産)、営業、物流、顧客(店)の各部門が担っている。中核的な位置を占めるのは量産(生産)部門であり、製造ラインである。しかし、その製造、量産ラインを担っているのは高卒技能者ではない。労働過程の技術的変革が進むとともに、派遣労働者へのシフトが進んでいるからである。従って、製造ラインが所期の稼働をするためには、工場技術、生産技術、品質管理、購買、設備管理等の部署のスタッフが関与する度合いに左右されることになる。そうした背景のもとで、(1)電機産業では社内において入社後2・3年経過した高専卒者や大卒者を対象とした技術教育を行うための「ものづくり大学校」を設置したり、生産技術や工程管理を学ぶ「若手基盤教育」を実施している。(2)同時に「人数の削減」「製品寿命の短期化」等により、高専卒者や大卒者の技術者の揚合、これまでの企業内の人材育成の主流であったOJTがやりづらくなって、OJTのOffJT化が進んでいる実態を明らかにした。
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