2008 Fiscal Year Annual Research Report
福岡県における戦後のモデル保育所に関する実証的研究
Project/Area Number |
20530743
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
清原 みさ子 Aichi Prefectural University, 文学部, 教授 (00090366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 和子 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (80087915)
原 友美 愛知県立大学, 文学部, 非常勤講師 (80448703)
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Keywords | 幼児教育・保育 / 保育史 |
Research Abstract |
モデル保育所全体の資料収集を行い、「1,福岡県でモデル保育事業が行なわれた背景、2.モデル保育所に指定された保育所の状況、3.モデル保育所で行なわれた公開保育の状況、4.モデル保育所の保育者たちの研究状況」を明らかにすることを通して、モデル保育所が果たした役割について考察することを目的に、平成20年度は「福岡県の保育状況とモデル保育所であった御幸保育園の資料の分析」「資料収集とモデル保育所への訪問」「聞き取り調査の準備」を行う予定で研究に着手した。 まず、11箇所のモデル保育所のうち、所在地のわかる10箇所中の御幸保育園以外に、研究目的を記した依頼文と資料(御幸保育園についてまとめた児童教育学科の論文集の抜き刷り)を送った上で、直接電話で各園の状況を尋ねた。その結果、2箇所は資料もなく、当時のことを知る人もいないということであった。何らかの資料や手がかりのある三萩野・初音・香春・木屋瀬・あさひ・光応寺・上広川の各園を、7月から8月に手分けして訪問にした。その結果、当時保育所をしていた人に聞き取りができることがわかった上広川幼児園や、保育日誌をはじめとする多くの資料が残されていた木屋瀬保育園は、複数回訪ねた。また、初音保育所がある戸畑区(旧戸畑市)で、昭和20年代に保育者をしていた方々にも話を聞くことができた。社会福祉協議会、共同募金会等への訪問も行ったが、県や福岡市、北九州市の社会福祉協議会には、移転等もあって古い資料は残されていない。件の共同募金会も移転しているが、議事録等は処分していないので、どこかに保管されているはずであるという話であった。福岡県では昭和20年代に共同募金から保育所への補助がなされているので、配分の決定方法を明らかにしていくためにも、資料を探し出すことが21年度の課題である。 なお、御幸保育園の資料の分析に関しては、科研費申請後、園で作成した「観察見学」や「劇あそび」の手引きや、日誌、カリキュラム等を検討し、共同で『愛知県立大学児童教育学科論集』第42号にまとめた(31〜44頁、2008年3月)。
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