2009 Fiscal Year Annual Research Report
教職の役割変化と教員評価に関する国際的合意形成の研究
Project/Area Number |
20530744
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
八木 英二 Kyoto Tachibana University, 文学部, 教授 (30071278)
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Keywords | 教職 / 教員評価 / 国際的合意 / 国際基準 / 国際機関 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の目的・計画に照らし、1966年「ILO・ユネスコの教員の地位に関する勧告」を対象に、合意形成の意義をめぐる問題群の調査を行った。今回は、とくに教師専門職性の発達にかかわる分析を行い、その成果についての論文発表と学会発表を行った。 地位勧告フォローアップ機関の活動にみられる今日的到達点について昨年度に引き続き整理し、とりわけ教員の役割や地位における職務権限や研修のあり方にかかわる合意形成の特徴の分析を行った。いずれも、本科研費で2009年8月に実施したIOEのDr.David Crook氏と、同年9月に実施したNUT広報官のKaren Robinson氏へのインタヴューによる情報と資料提供が生かされた。前者からは2008年EU議会公聴会での報告と関連資料、後者からはロンドン市内の教育評価にかかわる意識実態調査結果に関する貴重な資料提供と説明などを受けることができた。 さらに、他の共同科研で、本研究の国際的合意形成にかかわる教育インターナショナル(EI)やEUのパートナーである欧州教職員連合(ETUCE)の担当者へのインタヴューを2010年2月に実施し、本研究ともかかわる地位勧告の合意形成をめぐるあらたな動向についての資料と情報を得て、調査報告書「EU圏にみる教師専門職性の国際基準化」としてまとめることができた。この分担研究作業によりEU圏の教員評価との関連を明らかにすることが出来たのも本研究の成果につながっている。 今回の現地調査を2回と分担研究1回の計3回の研究活動をふまえて、教員評価の客観/主観の基準の二律背反を解決すべき方途について新たな仮説を設定しその有効性について学会発表を行うなど、今後の研究を行うための新たな手がかりも得た。次年度は、その検討も含め、本研究の一定のまとめを試みる予定である。
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