2010 Fiscal Year Annual Research Report
保育職資格の更新制・上進制導入に伴う養成課題-米国保育職と職場マネジメントに学ぶ
Project/Area Number |
20530757
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
椨 瑞希子 聖徳大学, 教職研究科, 教授 (30269360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 美智子 聖徳大学, 短期大学部・保育科, 教授 (80352665)
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Keywords | 保育職資格 / 上進制・更新制 / 日米比較 / 職場マネジメント / 専門性発達 |
Research Abstract |
本研究は、(1)保育職制度の運用(2)保育職の職業文化比較(3)養成課程と保育職の熟達過程の関連の考察、を目的に掲げ、米国オークランド市教育委員会、および同市内ミルズ・カレッジ附属学校(私立)の協力を得て進めるものである。平成22年度は、(a)「保育に関する意識調査」票の回収と分析(b)米国研究協力者招聘・合同調査・研究交流(c)渡米成果交流、を実施した。 意識調査用質問紙は、ソニー教育財団調査[2002]の外国語訳である。結果の発表は、平成23年度日本保育学会で予定している。保育者/保護者間の「保育に関する意識」は、日本では少数の項目を除きほぼ重なるのに対し、オークランドでは違いの顕著な項目が多い。同市の保護者は、保育者よりも、個に応じた扱いを求め、才能や可能性は突出を厭わず伸ばしたいと願い、それにあたっては、専門家による指導を支持している。日/米間の違いは、園生活で望まれる経験、涵養されるべき態度等に関してより著しい。日本では多様性、個性の発現が強く支持されるが、オークランドでは共通性、小学校準備、社会性育成への期待が高い。それぞれの社会において欠落感のあるものを期待しているように思われる。 合同調査は、6月にミルズ教員2名を招聘して、3歳未満児保育の「職場マネジメント」聞き取り調査を、11月にオークランド市教育委員会管理職2名を招聘して、認定こども園他の「職場マネジメント」聞き取り調査を行った。職位と学歴が日本では連動せず米国では連動すること、双方ともそれを自明視していることが確認された。講演会は、6月に聖徳大学にてミルズ教員の実践と研究に関して、11月にお茶の水女子大学グローバルCOE「格差センシティブな人間発達科学の創成」と共催で「学校教育を補完する学習機会の保障-アメリカ・オークランド市教育委員会の教育格差解消に向けた試み」を開催。就学前段階の日米公教育デザインの違いを際立たせた。
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Research Products
(5 results)