2009 Fiscal Year Annual Research Report
「教育困難高校」の課題と支援のあり方-生徒の実態調査とその要因分析から-
Project/Area Number |
20530759
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Research Institution | Joshibi University of Art and Design Junior College |
Principal Investigator |
山田 朋子 Joshibi University of Art and Design Junior College, 教職課程, 准教授 (50331418)
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Keywords | 教育困難校 / 高校教育論 / 教育改革 / 学校経営 / 教育制度 / 学校支援 |
Research Abstract |
今年度の研究は、以下のように実施した。 前年度の普通科高校に続き公立専門学科高校を対象に、生徒の現状や学校の取り組み等の項目について、アンケート調査を行った。ここからは、学力保障や生徒指導、進路確保の課題に加え、軽度発達障害など様々に生徒が抱える課題への対応に迫られている学校の現状が示された。その中であっても、現状に対応するために積極的な学校改編を行う学校への訪問調査を実施した。その結果、専門学科高校から大学進学を目指すカリキュラムの設置、高大連携や地元企業との連携により専門学科の特色を積極的に打ち出す試み、専門性を活かした教育内容によって不登校等の克服を目指した教育成果など、学校現場が現状を打開するために努力する実態が明かとなった。 一方、昨年度に引き続きアメリカ合衆国での学校調査及び生徒の保護者への聞き取り調査を実施し、また生徒への支援策を研究する研究者から専門的知見を得ている。加えて、高額の学費を必要とする私立学校での調査も実施している。これらの調査から得た、公立・私立それぞれの生徒に保障される教育条件(物的人的だけでなく、例えば将来設計のためのプログラムや、目指すことを提示される目標)の差異は注目される。ハワイ州のあるエリアの実態からは、居住地域の住み分け、取得学歴や教育価値に対する捉え方の違い、その結果としての社会的職業的地位、所得、教養等の差異が明かである。それらの差異からは、社会全体のセーフティネットとして、教育支援の重要性が指摘できる。 以上の研究活動に加え、平成20年度の成果を研究報告として紀要に発表している。最終年度は、さらに国内外の事例校への調査を実施しつつ、過去2年間の国内外調査の結果を総括する予定である。
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