2008 Fiscal Year Annual Research Report
保育者の「気づき」と「配慮」の深化過程に関する研究
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20530760
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Research Institution | Ueda Women's Junior College |
Principal Investigator |
山口 美和 Ueda Women's Junior College, 幼児教育学科, 専任講師 (80465856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若山 哲 福岡女学院大学, 人間関係学部, 講師 (20352817)
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Keywords | 保育者養成 / リフレクション / プロセスレコード |
Research Abstract |
本研究の目的は、保育者が専門的職業人として熟練するにつれ、保育者の視点からの「気づき」と「配慮」がどのように深化・精緻化されていくのかを明らかにすることである。 平成20年度にはプレリサーチとして、上田女子短期大学1年次生及び福岡女学院大学2年次生を対象として、(1)幼稚園における実習時の映像記録の収集、(2)実習中の園児との相互作用を振り返るための記録「プロセスレコード」の作成及びグループディスカッション、(3)収集された映像記録をもとに、実習時の学生の「配慮」についてベテラン保育者(上田女子短期大学附属幼稚園教諭)とのディスカッションによる検討、等を行った。 プロセスレコードは、学生が戸惑ったり対応に困ったりした場面を中心に、実習終了後に作成した。現在、収集された学生のプロセスレコードの分析を行っているところであるが、園児同士のトラブルの調停の場面(おもちゃの取り合い等)、生活上のきまりやあそびのルールを守らない園児への対応の場面、複数の園児に同時に対応しなければならない場面、園児の要求を理解できず対応に困った場面等が、記録に多く取り上げられる傾向があった。学生が挙げた多くの場面に共通しているのは、「園児の要求」と「守らなければならないルール」のように、対立する出来事や事象が同時に複数存在し、なんらかの基準で優先順位をつけて対応しなければ解決が難しい場面であるということである。こうした対立が存在する場面について、ベテラン保育者がどのように優先順位をつけて「配慮」し、具体的な「援助」を行っているのかを明らかにすることが、今後の課題である。
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