2009 Fiscal Year Annual Research Report
保育者の「気づき」と「配慮」の深化過程に関する研究
Project/Area Number |
20530760
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Research Institution | Ueda Women's Junior College |
Principal Investigator |
山口 美和 Ueda Women's Junior College, 幼児教育学科, 専任講師 (80465856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若山 哲 福岡女学院大学, 人間関係学部, 講師 (20352817)
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Keywords | 保育者養成 / リフレクション / プロセスレコード |
Research Abstract |
本研究の目的は、保育者が専門的職業人として熟練するにつれ、保育者の視点からの「気づき」と「配慮」がどのように深化・精緻化されていくのかを明らかにすることである。 平成21年度は、20年度に行った観察実習時のプレリサーチをもとに、教育実習での保育実践場面(一斉活動、自由遊び等の場面)の映像収集をすすめた。また、20年度に引き続き、実習を終了した学生からプロセスレコードの収集を行った。その上で、学生及び保育者が同一の保育場面をどのように観察・解釈しているのかを知るため、収集した映像記録をベテラン保育者と学生にそれぞれ視聴してもらい、どんな事柄に注目したかについて個別に聞き取りを行った。 さらに、すでに収集したプロセスレコードについて、(1)学生はどのような場面で子ども同士のかかわりに介入する傾向があるか、(2)相互作用が開始される際のイニシアチヴ(介入のきっかけ)はどちらが握っているか、(3)学生はどのような視点を持って介入しているか(問題の構成と問題解決のために利用している倫理原則)の三つの視点を設定して分析を進めた。分析の結果、学生が介入するのは「遊具や物の取り合い」、「仲間はずれ」、「友だちを叩く、蹴る等(意図的な攻撃)」、「順番やルールを守らない」等の場面が多く、まず事態を理解するために双方の子どもに説明を求める傾向があること、またトラブル解決にあたり、(1)主に社会生活における公平性や正義が守られないことを問題とする立場、(2)主に他者へのケアや配慮が足りないことを問題とする立場の二通りの倫理的立場のいずれかをとって子どもに対応することが明らかとなった。以上の結果については、研究分担者とともに日本乳幼児教育学会第19回大会において口頭発表を行った。
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Research Products
(3 results)