2009 Fiscal Year Annual Research Report
在日中国人の子どもを取り巻く教育環境に関する調査研究
Project/Area Number |
20530763
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
周 飛帆 Chiba University, 言語教育センター, 准教授 (80270867)
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Keywords | 教育戦略 / 移住過程 / 中国人 |
Research Abstract |
本年度は(1)2009年10月~12月に千葉市周辺に住む留学生、日本企業に在職している技術者、研修生に対し質問紙調査、(2)2009年8月に欧州に住む中国人家族に対する面接調査、(3)2010年2月に移住準備段階及び海外から帰国した中国人家族に対する追跡調査という三つの調査を行い、分析を行った。 (1)では、大学院生と共同で行ったもので、中国人家族の移住・定住過程においてどのような要素が影響を与えている、特に情報の利用という側面に注目して調査したものである。回答者110名に対する分析がまだ完了していないが、現段階において今回の調査から得られた知見は、従来指摘されている移民のネットワークの機能は弱体化しつつあり、それにかわって情報収集のスキルが大きな役割を持っているのではないかという点である。次年度の分析によって、新しい分析枠組みの形成につなぎたい。 (2)及び(3)では、移動・移住過程において、子どもの教育がどのような役割を演じているかを共通な分析軸として用いた。IT技術者を中心に、中国への帰国を含め、海外中国人の移動が頻繁になってきているのは近年の特徴である。彼らに対してはこれまでほとんど研究されて来なかった。中国在住家族や中国帰国家族に対する調査はこれまでの行ってきた調査の継続であるが、欧州に住む中国人家族に対する調査では、(1)親の移住、再移住過程において子どもの教育が様々な問題を起こしていること、(2)そうした問題に対して家族で「補償」教育・行動を施すが、成功の可否は家族間の信頼関係と親から子への伝達機能の確保にかかっていることは分かった。 以上の調査内容を分析した結果、当初予定の「在日」中国人に対する調査から若干範囲を広げ、中国から(または中国へ)移動する家族、他の国々に移動する家族との比較を試みることで移住過程における教育戦略の形成、実現とその問題点を分析視点として加え、次年度での完成を目指す。
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