2010 Fiscal Year Annual Research Report
イギリスのトラスト・スクールに関する比較教育学的研究
Project/Area Number |
20530778
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
望田 研吾 九州産業大学, 国際文化学部, 特任教授 (70037050)
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Keywords | イギリス / 教育改革 / トラスト・スクール / コーポラティブ・トラスト・スクール |
Research Abstract |
平成22年度における研究は、以下のように実施した。 第1は、文献・資料の収集と分析である。イギリスでは2010年5月に政権が交代し、保守党・自由民主党連立政権が成立したため、同政権による教育改革に関する政策文書等を、主にインターネットにより収集し分析を行った。 第2は、トラスト・スクール等の訪問調査の実施である。今年度は2010年10月27日から11月7日までの12日間で調査を行った。調査対象機関および学校はSpecialist Schools and Academies Trust, Department for Education, University of the West of England,ロンドン近郊とサザンプトンのトラスト・スクール各1校である。これらの調査においては、トラスト・スクール担当官、校長等へのインタビュー、関連資料の収集を行った。さらに、マンチェスターで開催されたThe 3^<rd> National Conference of Cooperative Schoolsに出席し、イギリスにおけるコーポラティブ・トラスト・スクールの現状と展望についての情報を収集した。本年度の調査によって、明らかになった主な点は以下の通りである。 1. 連立政権の教育政策の重点はアカデミーとフリー・スクールに置かれており、前労働党政権とは対照的にトラスト・スクールに対する積極的推奨策はとられないことが予想される。(DfE担当官へのインタビューによる) 2. 大学が近隣の剥奪地域からの入学者を増やすために、トラスト・スクール制度を活用してそれらの地域の学校改善へのサポートを積極的に行うなど、大学とトラスト・スクールとの緊密な関係が見られる。(University of the West of England学長補佐へのインタビューによる) 3. コーポラティブモデルへの関心は依然として広がりを見せており、このモデルによるフリー・スクールの構想もある。(上記ConferenceおよびDfE担当官へのインタビューによる)
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Research Products
(2 results)