2010 Fiscal Year Annual Research Report
日系国際児のアイデンティティ形成とその支援のあり方に関する実証的研究
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20530782
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Research Institution | Saitama Gakuen University |
Principal Investigator |
鈴木 一代 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (40261218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 千明 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (50302360)
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Keywords | 日系国際児 / アイデンティティ形成 / 教育支援 / 日本語・日本文化継承 / 国際結婚家庭 / 日本語教師 / 日本語補習授業校・日本語学校 / インドネシア:イギリス:ドイツ:カナダ:日本:台湾 |
Research Abstract |
本研究は、日系国際児のアイデンティティ形成とその支援のあり方について、実証的に明らかにしようとするものである。本年度は、その3年目、最終年度である。各国(インドネシア、イギリス、ドイツ、カナダ、台湾、および日本国内)在住の日系国際児についての研究成果を比較し、総合的に検討し、最終報告書を作成した。 1.日系国際児を取り巻く環境を考慮しながら、日系国際児の言語・文化・アイデンティティ、子どもの言語・文化習得や教育等に関する日系国際児の母親の気持ちや考え方、さらに、日系国際児の日本語・日本文化の教育にかかわる日本人教師の意見を検討し、日系国際児の(文化的)アイデンティティ形成とそのための教育支援について、各国の特徴を明らかにした。さらに、各国の研究成果を比較検討し、日系国際児が異文化出身の親の母語・母文化を習得(継承)するために必要な支援、ひいては、(文化的)アイデンティティ形成への支援について、多面的・包括的な検討をおこない、有用な知見を得た(研究打合せ:5月、8月、12月)。2.(1)異文化間教育学会で、各国の日系国際児の言語・文化習得、アイデンティティ形成、教育支援に関して、近江ひろえ(金沢工業大学)、渋谷真樹(奈良教育大学)、鈴木一代(埼玉学園大学)、高橋順子(クリスチャン・アカデミー・ジャパン)が研究成果の一部を発表した(6月)。(2)日本教育心理学会の自主シンポジウム「多文化社会と教育支援III」(企画:鈴木一代ほか)で、高橋順子が日本在住の「日米国際児について研究成果を発表した(8月)。(3)日本心理学会のワークショップ「異文化交流とアイデンティティ:多様な文化背景をもつ子どもたちについての研究最前線」(企画:鈴木一代ほか)で、鈴木一代がインドネシア在住の日イ国際児について研究成果を発表した(9月)。3.日系国際児への教育支援を中心に研究成果を最終報告書としてまとめ、刊行した(3月)。
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