2011 Fiscal Year Annual Research Report
教員志望学生による「開かれた学校」推進教員へのデザイン支援プロジェクトの研究
Project/Area Number |
20530793
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
南部 正人 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00218075)
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Keywords | 開かれた学校 / 美術教育 / 教師教育 / 地域連携 / 鑑賞教育 / 美術科教育 |
Research Abstract |
昨年度に、実施した地域貢献プログラムの反省的考察を通して、教員養成大学における、地域貢献ガイドラインを示した。実施したプログラムが支援として適切であると判断するためのガイドラインは以下の5点である。 1地域貢献プログラム実施目的において、公共性を確保する必要がある。 2地域貢献プログラム実施に際して、その専門性を保証する教科内容論に加えて、児童生徒の発達、学びを保証する教科教育論を前提とする必要がある。 3地域貢献プログラム実施に際し、提供先担当教員の専門性と市民性の統一に考慮する必要がある。 4地域貢献プログラム実施に際し、提供先教員集団内の十分な準備検討を確保する必要がある。 5地域貢献プログラム実施に際し、大学の教育・研究内容を開示し、提供先の教育活動がより高まるよう配慮する必要がある。 当該年度では、このガイドラインを研究フィールドとして設定した「旭川地域連携アートプロジェクト」において教員志望学生と大学教員が実施したプログラムに適応させた。実施プログラムは、以下のである。 1北海道立旭川美術館「片岡球子展」における鑑賞プログラム 2旭川市彫刻美術館「小泉俊己」ワークショッププログラム 3旭川市教育研究会図工美術部「造形まつり」表現プログラム これらのプログラムをガイドラインに沿って、アンケート、聞き取り、参与観察法により評価した。その結果、公共性の確保と教師集団内の準備検討の確保は適切であった。しかし、大学の教育研究内容の開示では、更に努力が必要であると評価した。加えて、担当教員の専門性と市民性の統一は、十分とはいえなかった。これらのプログラム展開、ガイドラインによる評価を通して、教員志望学生は「開かれたが学校」推進教員を支援可能な技能知識を身に付けているといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究フィールドとして設定した「旭川地域連携アートプロジェクト」において、研究目的をおおむね達成した。その中で鑑賞プログラムにおいては、学生は地域支援ガイドラインに沿ってプログラムを計画・実施・運営を行った。その成果は、アンケート等により、高い評価を得た。又、ワークショッププログラムにおいては、学生は地域支援ガイドラインに沿ってプログラム観察、記録を行った。その成果は、学生制作のショートムービーとしてまとめ、参加教員に提供した。又、造形まつりプログラムでは、地域の児童生徒、一市民の造形活動を提供した。 その成果は、300名を越える参加者数、聞き取りによる高い満足度、アンケートの高評価に現れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策は、以下の3点である。 (1)最終年度である平成24年に、学生の向上した技能知識を総括的に評価する。 (2)提供プログラムの、企画、運営、実施、反省を総括的に評価する。 (3)平成24年度以降5年間の計画を準備する、
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