2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530797
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
角間 陽子 Fukushima University, 人間発達文化学類, 准教授 (70342045)
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Keywords | 家庭科教育 / エイジング学習 |
Research Abstract |
本研究は、家庭科教育において「他者とのかかわり」によって自己を再認識し、社会とのつながりを構築するとともに、生涯を見通すことのできる生活主体者の育成を目的としている。そのためには生涯にわたるエイジング・プロセスを理解し、「自らがどのように生き、年を重ねていくのか」という視点から将来を展望し、現在の生活に対する課題を見出していく必要力弐がある。その方策のひとつとして、高齢者との世代間交流を活用し、これと連携させたエイジング学習プログラムを追究するものである。 本年度は「ケアを要する高齢者を交流対象として、高齢者の主たる生活圏において生徒が手段的サポートによって高齢者を支援する方向性の活動」を実施している中学校を主たるフィールドとした実践研究を行った。従前の科研費研究にて開発した教材と実践した授業を改善し、学習形態に共同思考の導入を試みた。その結果、個別学習群は自己の生活に対する省察を深め、学びを実践化させていた。グループ学習群はエイジングに対する理解を深め、加齢イメージを肯定的に変化させていた。いずれの学習群とも世代間交流活動と連携させたエイジング学習プログラムとして有効であり、学習形態の組み合わせや一斉学習における指導の工夫によって双方の効果が得られる可能性も示唆された。 次に、他の類型(アクティブな高齢者を交流対象として、生徒の主たる生活圏において高齢者が手段的サポートによって生徒を支援する方向性の活動)に区分される世代間交流活動への参与観察を行うとともに、これと連携させたエイジング学習プログラムの開発に資する基礎的データを得ることを目的とした質問紙調査を実施した。アクティブな高齢者との世代間交流活動は、生徒がエイジングを理解する一助となり、特に加齢に対する意識をプラスに変化させることにつながっていた。体を動かして一緒に行う内容において、その傾向が高いことがわかった。
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