2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530797
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
角間 陽子 Fukushima University, 人間発達文化学類, 准教授 (70342045)
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Keywords | 家庭科教育 / エイジング学習 |
Research Abstract |
本研究の目的は、他者とのかかわりによって自分自身や現在の生活を再認識し、人や地域社会とつながる力を涵養するとともに、生涯を見通す視点をもった生活主体者を育成するエイジング学習プログラムを構築することである。 本年度には「アクティブな高齢者を交流対象として、生徒の主たる生活圏において高齢者が手段的サポートによって生徒を支援する方向性の活動」を実施している中学校を主たるフィールドとして研究を行った。具体的には活動の参与観察、活動前後のアンケート調査、活動と連携したエイジング学習授業の開発および実践と効果の検討である。交流活動によってエイジングの理解は促進されていたものの、「老後の生活を意義あるものにしたい」という意識はエイジング学習の授業後に有意に高まった。また、中学生自身の現在の生活への向き合い方には交流活動のみでは得られなかった効果が授業後に認められた。この効果は昨年度に実施した類型(ケアを要する高齢者を交流対象として、高齢者の主たる生活圏において生徒が手段的サポートによって高齢者を支援する方向性の活動)と連携させたエイジング学習の授業に比して、高い結果を得ることができた。 さらに、中学校家庭科教員を対象として、生涯にわたる主体的生活者を育成するためのエイジング学習と家庭科教育の在り方についてのアンケート調査を実施した。その結果、「必要であり、機会を捉えて取り組むべき」との意識が6割を占めていたものの、実践に向けては消極的な回答もあった。高齢者の身体的特徴や高齢者とのかかわり方について学ぶ必要があるとされる一方で、老いの多様性やエイジズムに関する学習の必要性は低かった。新学習指導要領においてエイジングの視点による生活課題学習に適するとして支持されていたのは「家族・家庭と子どもの成長」領域の内容が多かったが、最も支持率が高かったのは「家族の安全を考えた室内環境の整え方」であった。
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Research Products
(3 results)