2008 Fiscal Year Annual Research Report
外的リソースを導入した教授・学習方法の構築と教師教育への適用
Project/Area Number |
20530801
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
清水 誠 Saitama University, 教育学部, 教授 (30292634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 マユミ 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (50350567)
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Keywords | 外的資源 / 理科学習 / 操作可能性 / 顕在化 / 概念形成 |
Research Abstract |
本研究は、理科授業の中で(1)児童生徒が関わる様々な外的リソースが、思考活動にどのように作用し科学的な概念の形成に有効に働いていくのか、(2)児童生徒の外的リソースの利用に問題はないのかを明らかにする。その結果を踏まえ、外的リソースに基づく科学的な思考力や概念形成を促すための理論的なフレームワークをつくる。その上で、科学的な思考力や科学的な概念の形成を図るための理科の教授・学習方法を構築する。さらに、構築した教授・学習方法をインターネットや研修会の機会を活用しながら広く社会に提供していくことを目的としている。 国内外の先行研究を総括した結果からは、外的資源には、認知負荷の軽減をするという効果があり、A解決のプロセスを減らすことができる、内部と外部の双方向の視点からの検討ができる、顕在化や操作可能性を持つ、問題が分散することで課題が変化するなどの効果があることの成果をみることができることが分かった。外的資源があることで、頭の中だけで考えるよりも多くの解決方法を検討できること、目的とする情報を得るまでの必要なアプローチを減らすことができる効果があるということである。そこで、研究者と小中学校の教師により教授・学習方法の構築を図り、外的資源のもつ顕在化及び操作可能性ということに着目した2つの検証授業を行った。顕在化の効果を調べた慣性の法則の授業では、外的資源として発泡スチロール球を水の上に入れて観察させることが、科学的な見方や考え方につながる気づきに大きな影響を与えることが指摘できた。また、操作可能性について検討した葉の付き方の学習では、モデル化する際の茎の素材により概念形成に影響を及ぼすことを見て取ることができた。
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Research Products
(8 results)