Research Abstract |
平成20年度は,主に基礎資料の収集・整理と分析・検討,研究成果の一部公表を行った。 具体的な研究成果及び研究成果の公表は,次のとおりである。 1 基礎資料の収集・整理と分析・検討 (1)現地調査での資料収集 平成20年12月,ソウル市と釜山市において,現地調査を行い,資料収集を行った。 訪問先は,次のとおりである。 ソウル市:壁蹄館址,西大門独立公園(西大門刑務所歴史館) 釜山市:金井山城,禮安里古墳群,臨時首都記念館,白山記念館 この現地調査によって得た資料については,教材化に向けて協議中である。 (2)日韓双方の学習指導要領の検討 日本と韓国の相互理解のための知見を得るため,日韓双方の学習指導要領や教育課程を比較検討した。その結果,ESD教育の視座から,日韓相互理解のための教育(歴史教育)を位置づける方向性を得た。 2 アンケート項目の作成 日韓学生の歴史認識の実態把握を数量的・質的に比較するための基礎的調査研究を行ったう。最初に,これまでの日韓歴史認識に関する各種調査結果を検討し,問題点を焦点化した。 3 研究成果の公表 平成21年11月韓国太田市で開催された韓国国際理解教育学会において,「中学校歴史教育における日韓関係史の取扱について」と題しての発表を行い,基礎調査や各種アンケート調査の結果を公表した。 また,許信恵との協働研究の成果を発表した。主に,日本の歴史教育担当教師が,日韓関係史の取扱をどのように考えているかを明らかにしたものである(「Japanese Teachers' Difficulties in a History Class of Korea-Japan Relations-focused on the result of Reserch into Japanese Teachers-」,『Studies on History Education(歴史教育研究)』, 2008.12,VOL.8韓国歴史教育学会,pp.263〜285) 以上の研究成果は,今後の日韓相互理解のための教育にとって,新しい方向性を示すものであり,平成21年度の本研究の基盤となるものである。
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