2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける中等社会系教科目の学力像に関する研究
Project/Area Number |
20530813
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
服部 一秀 山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (60238029)
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Keywords | 社会科 / 地理教育 / 歴史教育 / 公民教育 / 学力 / ドイツ / アビトゥーア / EPA |
Research Abstract |
平成23年度においては、ドイツの後期中等歴史教育における学力像を明らかにするため、諸州のギムナジウム上級段階における歴史教育の基本動向の把握、及び、現地での聞き取りと資料収集を踏まえ、歴史教育の具体例の分析、各州文部大臣会議(KMK)による歴史科のアビトゥーア試験に関する統一的要求(EPA)の分析を行った。 具体例として、ザクセン州のギムナジウム(第5~12学年)における歴史教育の場合について取りあげ、歴史科のレアプランとアビトゥーア試験課題などをもとに、歴史文化探究力を内包する歴史学力像と育成の論理を明らかにした。その成果を全国社会科教育学会第60回全国研究大会において発表し、また、「中等一貫歴史教育における歴史文化探究力の育成-ザクセン州ギムナジウムの歴史科(第5~12学年)の場合-」としてまとめ、全国社会科教育学会『社会科研究』第76号に投稿した。 各州文部大臣会議(KMK)による歴史科のアビトゥーア試験に関する統一的要求(EPA)については、試験課題例を中心に分析し、試験課題の構成から歴史学力像を探った。その成果を日本教科教育学会第37回全国大会において発表した(「ドイツの後期中等歴史教育における学力像-2005年版EPA(歴史科)を手がかりとして-」、『日本教科教育学会第37回全国大会論文集』)。 平成23年度においては、ザクセン州という特定の州における歴史教育の場合、そして各州文部大臣会議(KMK)による統一的要求(EPA)の場合という2つのレベルで歴史学力像に迫ることができた。さらに、平成24年度においては、後期中等教育段階における公民的教科目教育の主要な学力像について取り組みたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の開始に先立ち、既に平成19年度に前期中等地理教育における学力像について考察しており、平成20・21年度には前期中等歴史教育と前期中等経済教育における学力像について考察した。また、後期中等社会系教科目の学力像については主として平成22~24年度に取り組むこととしており、平成22年度は後期中等地理教育における学力像について考察し、平成23年度は後期中等歴史教育における学力像について考察した。本研究は、当初の研究計画に沿って、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、平成24年度をもって終了の予定である。研究計画を変更せず、当初の研究計画に従い、残り1カ年の研究を遂行する。 平成24年度の主要課題は、後期中等教育段階における公民的教科目教育の学力像について明らかにすることであり、これまでの研究成果を踏まえて究明をすすめたい。
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Research Products
(5 results)