2010 Fiscal Year Annual Research Report
学校音楽教育における潜在的カリキュラムに関する研究―学校音楽文化の日韓比較研究
Project/Area Number |
20530817
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
笹野 恵理子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70260693)
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Keywords | 学校音楽 / 教科教育 / 音楽科教育 / 潜在的カリキュラム / カリキュラム経験 / 学校音楽文化 / 日韓比較 / 生きられたカリキュラム |
Research Abstract |
本研究の目的は、学校音楽カリキュラムを、実際に当事者である学校成員の視点から「経験された」レベルで解明することである。すなわち、学校音楽カリキュラムを、紙の上の真空の状態でなく、「生きた姿」で、「生きられた学校音楽カリキュラム」を解明しようとするものである。 本年度は、「経験されたカリキュラム」について日韓比較をおこない、そこから日本の学校音楽文化の特質を解明しようとした。 (1) 「経験されたカリキュラム」の解明:カリキュラムを受容する側である生徒のカリキュラム経験を解明するため、質問紙調査から因子分析を行うとともに、質的観点から生徒のカリキュラム経験の意味付与を規定する4つの文脈とその様相を具体的に明らかにした。 (2) 「経験されたカリキュラム」をとおしてみる学校音楽文化の日韓比較:「(2)」の質問紙調査を韓国版に修正し、韓国で実施し、因子分析を行い、日韓比較をとおして、日本の学校音楽文化の特質を解明した。 具体的に、因子分析結果は、日本では、「音楽的情意」「学習方法」「自信・有能感」「授業秩序」「相互作用」「集団的表現」因子が析出され、韓国では、「表現」「相互作用」「音楽的情意」「学習方法」「授業秩序」「技能」因子を析出した。日本では、「技能」項目は分散し吸収されていったが、韓国では「技能」因子が析出されたこと、また「集団的表現」が日本のみに析出されていることが注目される。質的分析においても、集団性因子の析出は、日本の学校音楽文化の特質として指摘できる。
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Research Products
(2 results)