創造性開発を目指す生活主義音楽科授業構成に関する研究

2008 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20530830
• Research Institution: Saga University
• Principal Investigator: 荒巻 治美 Saga University, 文化教育学部, 准教授 (40315180)
• Keywords: 生活主義 / 創造性 / 音楽科

Research Abstract

本研究は、生活主義の原理に基づいて、子どもの創造性開発を目指す音楽科授業構成の在り方を明らかにすることを目的としている。すなわち、子どもの各発達段階における音楽表現欲求に即しながら、主体的な活動を通して、生活における音楽の楽しみを味わう力の育成を目指す授業である。
本年度は、三カ年計画における初年度にあたるため、過年度の成果や資料収集状況を確認し、今後の研究の方向性を検討した。それを踏まえて、国内の大学が所蔵する関係資料の収集を行った。さらに、アメリカ合衆国の音楽教育研究者の協力を仰ぎながら、研究課題に関する情報を収集し、それを手がかりに、今年度は、アメリカ合衆国東部地区の大学において研究調査を行った。とりわけ、メリーランド大学(University of Maryland)に設置されているMENC(Music Educators National Conference)の歴史センター,では、未刊の関係資料を収集することができた。現在までに収集した資料は次の三つに分類される。1,音楽教育研究者が編纂した音楽教科書と指導書、2,各大学附属の実験学校が出版した授業実践報告、3,アメリカ合衆国各州各市の教育局によって提案された指導計画、である。現在、これらの資料を翻訳・分析しながら、1,生活主義教育における音楽学習の位置、2,創造性開発を目指す音楽科授業のあり方、を明らかにしているところである。
今後は、さらなる資料の充実を目指して、アメリカ合衆国中部地区の基幹大学において研究調査を行う予定である。