2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530841
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
遠藤 忠 Utsunomiya University, 教育学部, 教授 (10104118)
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Keywords | 学級経営 / 生徒指導 / 学校文化 / 人格形成 / 日露比較 |
Research Abstract |
平成20年度は、以下の2つの目標を置いた。 (1)まず、わが国の教育政策の動向について整理し、生徒指導および特別活動に関する方針や論点を明らかにする。 (2)ロシア側研究者の協力を得て、ロシアにおける予備的な調査を行う。 (1)については、わが国の教育政策の動向を整理し、今日の政策的方向が生徒指導についてどのような意義を有するかについて検討した。その成果の一端は、目本特別活動学会の紀要第17号に寄稿した(4月下旬発行予定)。また、これまで継続して行ってきた学級担任「持ち上がり」慣行の現況について調査するために、長野県め信濃教育会等の訪問調査をおこなった。その結果、小学校においては交替周期1年ないしは2年の学校で全体のおよそ95%に達しており、3年ごとは1,8%にすぎないのが全国的状況であるが、長野県では基本的に3年周期(すなわち4年進級時に1回だけ担任替えを実施)の慣行を維持していることが明らかになった。 (2)については、サンクト・ペテルスブルク市を訪問し、市内の学校、教育委員会等を訪問し、聞き取り及び法令や学校文書の収集を行った(未曾有の物価高ため、当初計画したモスクワ市調査は断念せざるを得なかった)。調査の結果、2005年末に発令された政令により、学級担任の手当が4倍に増やされるとともに(ドル換算で25ドルから100ドルへ)、各学校は「学級の時間」を置くことが望ましいとされた。このことは、訪問した3校の初等中等普通教育学校でも確認することができ、どの学校でも「学級の時間」を週1時間置いていた。また、校長及び学級担任からの聞き取りでは、担任配置は、初等、中等段階とも「持ち上がり」を原則としており、担任となったものは、担当する生徒との信頼関係や生徒間の人間関係構築に大きな力を注いでいることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)